オリンパス TRIP35のよくある故障､修理はできるか？修理代の相場は？

オリンパスTRIP35のよくある故障

オリンパス TRIP 35は、1967年から1984年にかけて製造された非常に人気のあるコンパクトフィルムカメラです。しかし、経年劣化や使用頻度により、いくつかの故障症状が発生することがあります。以下に代表的な故障症状を挙げます。

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1. オリンパスTRIP35のシャッターの故障

症状

オリンパスTRIP35では、シャッターが切れない という症状がよく見られます。
具体的には、まったく切れない、動作が遅れる、シャッター速度が不安定になるといった不具合です。

原因として多いのは、シャッター羽根に経年で回り込んだ油やグリスの固着です。羽根の重なり部分に油膜が広がることで動作不良が進行します。また、シャッター駆動用の小さなバネがサビついて力を失い、正常に羽根を動かせなくなることもあります。

シャッターの故障は直るか

この症状は修理で改善できることが多いです。
レンズユニットを分解し、羽根を一枚ずつ丁寧に清掃して古い油を除去します。そのうえで適切に潤滑を施すことで、本来の軽快な動きを取り戻せます。

TRIP35は構造的にシャッターと絞り羽根が兼用のため、整備時には両方を同時に点検・清掃する必要があります。適切に整備を行えば、シャッターの動作不良は多くのケースで解消します。

2. オリンパスTRIP35の露出計の不具合

症状

オリンパスTRIP35の露出計は、電池を使わないソーラー式のセレン光電池を採用しています。
経年劣化によって露出計が反応しない、または針の値が安定しないといった不具合が発生します。

セレンは長年の使用で感度が落ちやすく、光に対する反応が弱くなるのが原因です。お客様からは「赤ベロが出ない」「明るさを変えても針がほとんど動かない」といった症状でご相談いただくことが多いです。

露出計の不具合は直るか

TRIP35の露出計は、適切なチェックと調整によって改善できるケースが多いです。
セレンセルに70％程度の力が残っていれば、許容範囲で適正露出に調整可能です。当店ではまずセレンの残存感度を測定し、そこから調整を行います。

もしセレンが寿命を迎えている場合は交換となります。セレンセルは現行品が販売されていないため、動作しているTRIP35から部品を取り出して交換します。また、メーター自体が不良の場合も交換対応が可能です。

TRIP35は電池を使わない構造のため、電池室や配線の腐食はほとんどありません。ただし、メーター不具合の中には、カメラの向きを変えた際に赤ベロが適切に出ないという症状もあり、この点も含めて当店ではチェックを行っています。

3. シャッター、絞り羽根の動作不良

シャッター、絞り羽根の付着の症状

オリンパスTRIP35では、シャッター羽根と絞り羽根が兼用の構造になっています。
そのため羽根が油分や汚れで付着すると、シャッターが切れない／速度が不安定になる／絞りが動かない といった症状が一度に現れるのが特徴です。

具体的には、羽根が途中で止まる、動きが極端に遅い、または固着して全く動かないといった不具合です。原因は経年でレンズ内部の油分が蒸発し、羽根に回り込んで固まってしまうことです。さらに埃や湿気が加わると粘着が強くなり、動作に大きな影響を与えます。

シャッター、絞り羽根の付着は直るか

この症状は修理によって改善できます。
レンズユニットを分解し、羽根を一枚ずつ丁寧に清掃して古い油膜を除去します。そのうえで必要に応じて潤滑を行うことで、シャッターと絞りの両方の動作を回復させることが可能です。

TRIP35は構造的に羽根が兼用のため、整備ではシャッターと絞りを同時に調整します。適切なメンテナンスを施せば、羽根の粘着は多くのケースで解消し、再び快適に使用できる状態に戻ります。

4. オリンパスTRIP35のフィルム巻き上げ機構の不具合

フィルム巻き上げ機構の不具合の症状

オリンパスTRIP35では、フィルム巻き上げがスムーズにできないことがあります。
代表的な症状は、巻き上げレバーが硬い、途中で止まる、あるいはフィルムが正しく送られないといった不具合です。

原因として多いのは、巻き上げ部の各所に汚れや古いグリスが固着して動作が重くなるケースです。また、露出計と連動する赤ベロが出なくなってしまうこともあり、巻き上げ機構の不調と一緒に発生することがあります。

フィルム巻き上げ機構の不具合は直るか

この不具合は、分解整備によって改善できる場合がほとんどです。
巻き上げ部をほぼ全体的に分解し、ギアやレバーの古い汚れを除去して洗浄します。その後、必要な箇所に新しい潤滑を加えることで、巻き上げの動作や赤ベロの連動が本来の状態に戻ることが多いです。

TRIP35は構造的にシンプルで、適切に分解清掃と注油を行えば、多くのケースで巻き上げの不具合は解消します。

5. オリンパスTRIP35のレンズのカビ・曇り

レンズのカビ・曇りの症状

オリンパスTRIP35では、レンズ内部にカビや曇りが発生している個体が多く見られます。
典型的な症状は、白いモヤのような曇りや、蜘蛛の巣状に広がるカビです。これらが進行すると、撮影した写真が全体的にぼやけたり、コントラストが低下する原因になります。

経年による劣化や、湿気の多い環境での長期保管が大きな要因です。

レンズのカビ・曇りは直るか

この症状は、分解清掃によって改善することが多いです。
レンズユニットを分解して内部のカビや曇りをできる限り除去することで、描写がクリアになるケースが少なくありません。

しかし、劣化の程度によっては清掃だけでは十分に回復しない場合があります。その場合はレンズ交換となりますが、TRIP35は製造年によって仕様が異なるため、互換性がなく交換できないこともあります。

そのため、現実的には「できる限り清掃して改善を図る」という対応が基本になります。適切に整備を行えば、実用上問題なく撮影できる状態に戻るケースが多いです。

6. オリンパスTRIP35のファインダーの曇りやゴミ

ファインダーの曇りやゴミの症状

オリンパスTRIP35では、ファインダー内部に曇りやゴミが入り込み、被写体を確認しづらくなることがあります。
典型的な症状は、覗いたときに小さな黒いゴミや埃が視界に映り込む、全体が白っぽく曇ってコントラストが落ちるといったものです。

湿気の多い環境での保管や経年劣化によってプリズムや光学ガラスが曇りやすくなり、見えにくさの原因となります。

ファインダーの曇りやゴミは直るか

この症状は修理によって改善することが可能です。
分解してファインダー内部を清掃し、ゴミや埃を取り除きます。曇りについても、ガラスやプリズムを丁寧にクリーニングすることで、見やすさを大きく改善できます。

ただし、経年劣化によってガラス面に痕跡が残ってしまう場合もあり、完全に新品同様にはならないケースもあります。それでも多くの場合、実用上十分にクリアな視界を取り戻せます。

オリンパスTRIP35の修理代の相場は？修理当社は安い？

フィルムカメラ修理の値段はなぜバラバラ？

フィルムカメラの修理はメーカーや国が作った資格のない仕事です。唯一信頼できるのが、今は70歳か80歳くらいになったメーカーの研修を受けたエンジニアの方たちの経験と知識です。かもめカメラはニコン、オリンパス、ペンタックス、キャノンなどのメーカー研修を受けた技術者から直接指導を受けて、検査機を使って修理調整しています。

資格がなくても修理ができる業界なので、趣味で修理をしている方や、最近では転売をしている方が作ったカメラ修理士という独自の名称で修理を受け付けている方もいます。

それで残念ながら価格や技術がバラバラで一律した基準がなかなかない比較しにくい現状があります。

フィルムカメラ修理のオーバーホール料金

オーバーホールの定義は、部品全てを分解して修理するというものかもしません。でもカメラの場合は、分解してはいけない場所もあります。ミリ単位で調整がしてあり、触るとかえっておかしくなってしまう部品箇所があるんです。

それで、各修理屋さんでオーバーホールの意味合いが違うと思います。

かもめカメラではオーバーホールを総合修理という言い方にしています。全体の検査を行い、機能を損なわない箇所まで分解し、清掃･注油・設定調整を行います。

古いフィルムカメラをどこまで修理するか？

フィルムカメラ修理は手を抜こうと思うとたくさん妥協できるところがある修理業種です。でも手を抜いていくと、露出が暗くなってしまったり明るすぎてしまったり、使い心地が枠瑠なったり、しばらくすると調子が悪くなったりしてしまいます。例えば以下のような残念なことがよく起きます。

よくあるフィルムカメラ修理の残念な事例

手を抜いてしまう修理だと、一応動くけどなんだかおかしい･･･ということがよくあります。例えば･･･

• モルトの劣化が見逃され、撮影状況によっては感光光線漏れする
• 1枚1枚のコマ間が大きくずれている
• 速度が不正確で高速になればなるほど遅くなり、全体が開かないこともある
• 露出計の表示が不正確で、その表示に合わせて設定をすると暗すぎ明るすぎな写真になる
• 配線が繋がっているがギリギリ首の皮一枚の状態でしばらくすると電気系が動かなくなる
• 各操作部品の掃除がされておらず、操作感が気持ち悪い

修理に出して帰ってきたカメラを触っても比較するものがないので、フィルムカメラ初心者の方はこのようなおかしさがわからないことが多いです。『なんだかおかしい･･』とわかってきたころには保証期間が終わってしまい諦めてしまうこともよく聞く話です。

かもめカメラの５つのお約束

フィルムカメラ修理は業界の資格や規定などがないので、明確な決まりごとのないサービスです。修理屋さんによって修理の質や出来上がる写真に大きな違いがでるので、料金の安さだけで比較することはおすすめできません。安心して修理をご依頼いただくために、かもめカメラでは「５つのお約束」を独自に設定しております。

当社かもめカメラの修理料金は相場よりも1,000円ほど高いことがあるかもしれませんが、コスパを考えると絶対にお安いとおすすめできます！

① 6か月保証いたします

日本には四季があり、同じ場所でも温度や湿度が大きく変化します。それで古いフィルムカメラは、冬場はきちんと動いていたのに、夏になったら動かなくなるということがよくあります。かもめカメラでは長期の使用に耐えられることを念頭において修理しています。それで修理終了時期から、季節が変わるであろう半年間を無料保証期間としています。修理が終わったカメラを、半年間たっぷり使って調子を試してください。

② 専用検査機を使って調整します

きれいな写真、自分の思い通りの写真を撮るには、カメラの「シャッター速度・露出計の動作・絞りの動作」この3つがしっかり連動する必要があります。

この３つが正常に動いているかは、人間の眼では確認できないことがほとんどです。専用の試験機で、数値で表示させないととわかりません。この試験機が7桁近くする高価なもので、現在日本で製造しているメーカーもほとんどありません（もうないといってもいい状況です）。

かもめカメラではすべての修理を試験機にかけて調整しています。

③ 検査修理票をお付けします

かもめカメラでは修理をしながら、試験機で行った検査の結果数値とその他目視で行う動作確認を修理票にまとめながら修理を行っています。

そのカメラのシャッター速度や、オートで撮った時の露出計の状態などを数値で表示したものです。

この修理票をお付けしてお返しします。通常では修理屋さんでは絶対にお客様にお見せしないものですが、お客様に安心してお使いいただくために、かもめカメラでは修理票の実物コピーをお付けします。

④ 見て見ぬふりはしません

古いフィルムカメラの修理をしていると言い方がわるいですが、このまま修理しないでお返ししても「きっとお客様は気づかない箇所」がたくさんでてきます。少なくとも保証期間内は影響がでないだろうと思われる箇所もあります。

かもめカメラではこうした箇所も、見過ごさずしっかりと整備いたします、これは性分です。きちんと整備し、修理票に記録してお返しします。

またそれに伴い追加の部品交換などの必要が出た場合もお客様にご相談して対応いたします。

⑤ 全体をクリーニングしてお返しします

かもめカメラは動作・機能を回復させるところまでで完成とは考えておりません。数十年たったカメラを気持ちよく利用していただくために、外装もできる限りのクリーニングをしてお返しします。かなりきれいになります！お楽しみに！！もちろん最後に除菌も行って送付いたします。

追加料金になりますが、ご希望によってお好きなカラーで張り替えることもできますのでご相談ください。

かもめカメラのフィルムカメラ修理の料金一覧

当社かもめカメラは、全体修理をお受けしております。以前は以下に具体的な金額を入れておりましたが、料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。それでここに価格は個々にお見積りさせていただくこととしました。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。

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