PENTAX SPのよくある故障、修理はできるか?修理代の相場は?

PENTAX SPは、フィルムカメラの歴史において名機と称される存在です。その重厚な金属製ボディ、クラシカルなデザイン、そして手にしっかりと伝わるシャッターの感触—これらすべてが愛好家たちの心を魅了してきました。しかし、経年による劣化は避けられず、動作不良や露出計の不具合など、現代で使用するには手を入れる必要があることも事実です。

このページでは、PENTAX SPのよくある故障やその対処方法について詳しくご紹介します。修理のポイントや注意点もわかりやすく解説し、初心者の方でも理解できる内容を目指しています。PENTAX SPを再び活用するための情報を通して、その価値を感じ取っていただけるようにしています。

PENTAX SPの魅力を再発見し、もう一度使えるようにするための情報をお届けしています。ぜひ最後までお読みいただき、再び使う楽しさを感じてください。

目次

PENTAX SP(ペンタックス スポットマチック)のよくある故障

シャッター関連の故障

ペンタックスSPは、その丈夫な設計と長年にわたる愛用者の多さで知られていますが、シャッター関連のトラブルは避けられない問題の一つです。特に経年劣化による影響は、修理を要する主な原因となります。ここでは、ペンタックスSPでよく見られるシャッターの故障について詳しく解説します。

  • シャッター幕の劣化や穴あき(特に布幕が経年劣化しやすい)
  • シャッターが切れない、動作が固まる
  • シャッター速度の不正確さ(特に低速シャッターで発生)
  • 高速シャッターが幕が開き切れない

これらの問題が発生すると、撮影した写真にムラや欠けが生じたり、最悪の場合撮影自体が不可能になることがあります。特に低速シャッターの不正確さや高速シャッターでの開幕不良は、日常的な撮影をしていると気づきにくいですが、重要な場面で問題になる可能性があります。

これらの故障を放置せず、早期に対処することで、カメラの寿命を延ばし、美しい写真を撮り続けることが可能です。

メーターの不具合

ペンタックスSPは内蔵された露出計(メーター)が魅力の一つですが、経年劣化によりメーターが正確に動作しないことがあります。このトラブルは、フィルム写真の適切な露出を実現する上で大きな障害となります。

  • 内蔵露出計が動作しない(電池端子の接触不良やcdsセンサーの劣化)
  • 露出計の針が動かない、または不正確な表示
  • 電池室の腐食やサビによる接触不良

これらの問題を抱えたまま撮影を続けると、適正露出を得ることが難しくなり、仕上がりに大きな影響が出る可能性があります。ペンタックスSPのメーター部分は修理可能な場合が多いため、早めに専門家に点検を依頼することをおすすめします。

巻き上げ機構のトラブル

フィルムカメラの特徴的な操作の一つが巻き上げですが、ペンタックスSPではこの部分にもトラブルが発生することがあります。巻き上げ機構の不具合は、フィルム撮影に直接影響を与えるため、特に注意が必要です。

  • フィルム巻き上げができない、または巻き上げレバーが重い
  • フィルム巻き戻しクランクが壊れる、動作が固い

こうした問題が起こると、撮影そのものが難しくなるだけでなく、フィルムの無駄遣いにもつながります。特に巻き上げレバーの動きが固くなる症状は、内部ギアや潤滑油の劣化が原因であることが多く、早期の対応が必要です。

ファインダーの問題

ペンタックスSPを使用していると、ファインダー周りの不具合が撮影体験に影響を与えることがあります。ファインダーは被写体を正確に確認するために重要な役割を果たしますが、経年劣化や使用頻度によって以下のような問題が発生することがあります。

  • ファインダー内のカビや曇り、汚れ
  • フォーカシングスクリーンが汚れて視認性が低下
  • プリズムの腐食(特に黒い線状のシミは交換が必要なことが多い)

これらの問題は、特に繊細な構図を必要とする撮影や、ピント合わせの正確さを求められる場面でストレスを感じる原因となります。ペンタックスSPのファインダーは修理可能な箇所が多いため、これらの問題に早めに対応することで、カメラを快適に使い続けることができます。

電気系の問題

  • バッテリーが古い規格(1.35V水銀電池)で入手困難
  • 代替電池使用時の電圧差による露出計の誤差

外装やメカニズムの劣化

  • ボディの革貼りが剥がれる
  • ダイヤルやレバーの操作感が悪くなる

ミラー機構の問題

ペンタックスSPをはじめとする一眼レフカメラでは、ミラー機構のトラブルが撮影の妨げになることがあります。ミラーは、光をファインダーに導きながら撮影時に正確に動作する重要な部品であり、経年劣化や使用頻度によって以下のような問題が発生することがあります。

  • ミラーが上がったまま戻らない(ミラーアップの固着)
  • ミラーの劣化(腐食や汚れによる曇り)

これらの問題が起こると、正確なピント合わせや撮影が難しくなり、カメラの基本性能が損なわれる恐れがあります。特に、ミラーが戻らない症状は内部のギアやバネの劣化が原因であることが多く、放置するとさらに大きな修理が必要になる場合があります。

モルトの劣化

  • フィルム室のモルト(遮光材)が劣化し、光漏れが発生
  • 巻き戻しクランク周辺や裏蓋周りからの光漏れ

PENTAX SP(ペンタックス スポットマチック)の修理内容について

最近メンテナンスしたSPの修理票です。こんな書類のコピーをお渡しします。数値を公開している修理屋は少ないので、ご自分のカメラの性能を見える化できるのはいいですね。メンテナンス後低速が悪くなったように見えますが、高速がでない異常な状態からこのカメラで出せる本来の状態になった結果です。

シャッター関連の修理作業

主に大切なのはシャッターの幕軸の清掃と注油です。そのうえで必要な場合は、幕速調整を行います。また、低速ガバナーの注油も必要です。

  • シャッター幕のカビ取り汚れ除去
  • シャッター機構の清掃と潤滑調整
  • シャッタースピードの調整と検査

メーターの修理作業

メーターが動かない時は交換がほとんどです。あとは腐食部分をメンテナンスして動くこともあります。1.5v電池への変更と、経年劣化のバランスを考えて調整も行います。

  • 露出計の内部清掃と再調整
  • 電池端子の清掃や再接続作業
  • cdsセンサーの交換(場合によっては代替パーツ使用)
  • メーターの交換

巻き上げ機構の修理作業

油切れを各所起こしています。メンテナンスすると気持ちよく動きます。

  • 巻き上げレバーの清掃とグリスアップ
  • 巻き戻しクランクの修理や交換
  • 巻き上げ機構の動作不良部分の調整

ファインダーの修理作業

プリズムに腐食がなければ、モルトのごみを除去して交換し清掃すると気持ちよく利用できます。腐食の場合は交換か、リペアすることもあります。

  • ファインダー内部の分解清掃
  • フォーカシングスクリーンの交換や清掃
  • プリズムのバルサム切れ修復や交換

電気系の修理作業

SPは電池室の腐食の処理がとても大切です。

  • 電池室の清掃と接触不良の修理
  • 代替電池の使用に合わせた電圧調整
  • 配線の劣化部分の交換や再接続

外装やメカニズムの修理作業

  • レンズマウントの固定作業や再調整
  • ボディ革貼りの張り替えや補修
  • ダイヤルやレバーの分解清掃と操作感の改善

ミラー機構の修理作業

  • ミラーアップ固着部分の分解修理
  • ミラーの清掃や再設置
  • ミラー駆動機構の調整と潤滑

モルトの修理作業

  • フィルム室のモルト交換作業
  • 巻き戻しクランクや裏蓋周りの遮光モルト交換
  • 光漏れの原因箇所の調査と修復

PENTAX SP(ペンタックス スポットマチック)の修理代の相場は?修理当社は安い?

PENTAX SP(ペンタックス スポットマチック)は一眼レフのジャンルになります。

ニコンFEやオリンパスOM1など機械式一眼レフフィルムカメラを、すべて点検して修理する「総合修理」した場合の相場価格です。各社ほとんどが税抜表示でしたので、税込み価格で統一しています。

スクロールできます
A社:19,800円~G社:19,800円~M社:14,300円~
B社:19,800円~H社:非公開N社:19,800円~
C社:19,800円~I社:17,600円~O社:16,500円~
D社:24,200円~J社:22,000円~P社:19,800円~
E社: 5,500円~K社:25,300円~
F社:15,180円~L社:非公開
2024年16社調査結果

上記の価格に部品代がかかる場合があります。経験上2,000円~6,000円ほどの追加料金が発生することが多いです。

かもめカメラ

当社かもめカメラは、一眼レフの全体修理をお受けしております。料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。

当社の修理が、おすすめできる理由は「かもめカメラ5つのお約束」をご覧ください!きっとご満足いただける修理をご提供できます。

フィルムカメラ修理の値段はなぜバラバラ?

フィルムカメラの修理はメーカーや国が作った資格のない仕事です。唯一信頼できるのが、今は70歳か80歳くらいになったメーカーの研修を受けたエンジニアの方たちの経験と知識です。かもめカメラはニコン、オリンパス、ペンタックス、キャノンなどのメーカー研修を受けた技術者から直接指導を受けて、検査機を使って修理調整しています。

資格がなくても修理ができる業界なので、趣味で修理をしている方や、最近では転売をしている方が作ったカメラ修理士という独自の名称で修理を受け付けている方もいます。

それで残念ながら価格や技術がバラバラで一律した基準がなかなかない比較しにくい現状があります。

フィルムカメラ修理のオーバーホール料金

オーバーホールの定義は、部品全てを分解して修理するというものかもしません。でもカメラの場合は、分解してはいけない場所もあります。ミリ単位で調整がしてあり、触るとかえっておかしくなってしまう部品箇所があるんです。

それで、各修理屋さんでオーバーホールの意味合いが違うと思います。

かもめカメラではオーバーホールを総合修理という言い方にしています。全体の検査を行い、機能を損なわない箇所まで分解し、清掃・注油・設定調整を行います。

古いフィルムカメラをどこまで修理するか?

フィルムカメラ修理は手を抜こうと思うとたくさん妥協できるところがある修理業種です。でも手を抜いていくと、露出が暗くなってしまったり明るすぎてしまったり、使い心地が枠瑠なったり、しばらくすると調子が悪くなったりしてしまいます。例えば以下のような残念なことがよく起きます。

よくあるフィルムカメラ修理の残念な事例

手を抜いてしまう修理だと、一応動くけどなんだかおかしい・・・ということがよくあります。例えば・・・

  • モルトの劣化が見逃され、撮影状況によっては感光光線漏れする
  • 1枚1枚のコマ間が大きくずれている
  • 速度が不正確で高速になればなるほど遅くなり、全体が開かないこともある
  • 露出計の表示が不正確で、その表示に合わせて設定をすると暗すぎ明るすぎな写真になる
  • 配線が繋がっているがギリギリ首の皮一枚の状態でしばらくすると電気系が動かなくなる
  • 各操作部品の掃除がされておらず、操作感が気持ち悪い

修理に出して帰ってきたカメラを触っても比較するものがないので、フィルムカメラ初心者の方はこのようなおかしさがわからないことが多いです。『なんだかおかしい・・』とわかってきたころには保証期間が終わってしまい諦めてしまうこともよく聞く話です。

かもめカメラの5つのお約束

フィルムカメラ修理は業界の資格や規定などがないので、明確な決まりごとのないサービスです。修理屋さんによって修理の質や出来上がる写真に大きな違いがでるので、料金の安さだけで比較することはおすすめできません。安心して修理をご依頼いただくために、かもめカメラでは「5つのお約束」を独自に設定しております。

当社かもめカメラの修理料金は相場よりも1,000円ほど高いことがあるかもしれませんが、コスパを考えると絶対にお安いとおすすめできます!

① 6か月保証いたします

日本には四季があり、同じ場所でも温度や湿度が大きく変化します。それで古いフィルムカメラは、冬場はきちんと動いていたのに、夏になったら動かなくなるということがよくあります。かもめカメラでは長期の使用に耐えられることを念頭において修理しています。それで修理終了時期から、季節が変わるであろう半年間を無料保証期間としています。修理が終わったカメラを、半年間たっぷり使って調子を試してください。

② 専用検査機を使って調整します

きれいな写真、自分の思い通りの写真を撮るには、カメラの「シャッター速度・露出計の動作・絞りの動作」この3つがしっかり連動する必要があります。

この3つが正常に動いているかは、人間の眼では確認できないことがほとんどです。専用の試験機で、数値で表示させないととわかりません。この試験機が7桁近くする高価なもので、現在日本で製造しているメーカーもほとんどありません(もうないといってもいい状況です)。

かもめカメラではすべての修理を試験機にかけて調整しています。

③ 検査修理票をお付けします

かもめカメラでは修理をしながら、試験機で行った検査の結果数値とその他目視で行う動作確認を修理票にまとめながら修理を行っています。

そのカメラのシャッター速度や、オートで撮った時の露出計の状態などを数値で表示したものです。

この修理票をお付けしてお返しします。通常では修理屋さんでは絶対にお客様にお見せしないものですが、お客様に安心してお使いいただくために、かもめカメラでは修理票の実物コピーをお付けします。

④ 見て見ぬふりはしません

古いフィルムカメラの修理をしていると言い方がわるいですが、このまま修理しないでお返ししても「きっとお客様は気づかない箇所」がたくさんでてきます。少なくとも保証期間内は影響がでないだろうと思われる箇所もあります。

かもめカメラではこうした箇所も、見過ごさずしっかりと整備いたします、これは性分です。きちんと整備し、修理票に記録してお返しします。

またそれに伴い追加の部品交換などの必要が出た場合もお客様にご相談して対応いたします。

⑤ 全体をクリーニングしてお返しします

かもめカメラは動作・機能を回復させるところまでで完成とは考えておりません。数十年たったカメラを気持ちよく利用していただくために、外装もできる限りのクリーニングをしてお返しします。かなりきれいになります!お楽しみに!!もちろん最後に除菌も行って送付いたします。

追加料金になりますが、ご希望によってお好きなカラーで張り替えることもできますのでご相談ください。

かもめカメラのフィルムカメラ修理の料金一覧

当社かもめカメラは、全体修理をお受けしております。以前は以下に具体的な金額を入れておりましたが、料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。それでここに価格は個々にお見積りさせていただくこととしました。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。

一眼レフお見積り下さい
レンジファインダー機お見積り下さい
コンパクト機お見積り下さい
モルト交換お見積り下さい
その他部分修理お見積り下さい
レザー張り替えお見積り下さい
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