オリンパスPEN FT修理日記【ミラーアップ、ファインダー交換】

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今回のオリンパスPEN FTの故障状況【ミラーアップ、ファインダー交換】

今回ご依頼いただいたオリンパスPEN FTは、シャッタースピードをスローに設定してF5.6にすると、ミラーがアップしたまま戻らない現象が確認されました。また、ファインダー内に汚れが見られ、視界が少し悪くなっていました。このPEN FTはレンズ自体はきれいな状態ですが、絞りの動作が遅くなっており、レンズと一緒に全体的な点検整備を実施する必要がありました。

オリンパス PEN FTに行った修理内容

今回のPEN FTでは、通常の全点検整備に加え、ミラーアップやファインダー交換といった特有の不具合に対応しました。

・ファインダーのクリーニング
・ミラーユニットシャッターユニットスプリング調整
・露出計関連部分点検整備
・シャッター速度確認と調整
・各部洗浄と注油
・その他動作機構確認と調整
・フィルム室クリーニング
・外装クリーニング
・モルトを新品に張替

今回の修理で特に重要だったのはスローガバナーの調整と、ハーフミラーの交換です。スローガバナーの不具合により、低速シャッターでのミラーアップが正常に動作していなかったため、スローガバナーの分解・洗浄・注油を行いました。また、ファインダー内の汚れの原因はハーフミラーの腐食によるものであったため、新しいミラーを切り出し、交換を行いました。

動作確認の際、手動で操作してもミラーアップが不安定になることがあったため、精密な調整を施し、動作を滑らかにしています。PEN FTは非常にデリケートな構造で、ミラーアップの不具合が微細な調整で改善されることが多いため、きれいな溶液で部品の清掃と注油を施し、しっかりとしたメンテナンスを実施しました。

ファインダーの中に汚れが見えたのは、ハーフミラーの腐食でした。その他プリズムなどは大丈夫でしたのでよかったです。新しいミラーを切り出して交換しました。

露出計も当時の電池よりも高い1.5Vの電圧の電池しかないので適正の数値を表示できません。よくアダプターを付けている方がいますがほとんどが1V以下になってしまっています。1.5Vでちょうどよい数値がでるように調整した方がよいです。

オリンパス PEN FT 修理後の状況

今回の修理で、PEN FTのスローガバナーはスムーズに動作するようになり、ファインダー内もハーフミラー交換によってクリアな視界が確保されました。また、露出計についても現行の1.5V電池で適正な表示が得られるよう調整を行い、元々のPEN FTの性能を取り戻しました。

オリンパス PEN FTのミラーアップやファインダー交換に関する修理やメンテナンスについてご質問やご相談があれば、ぜひかもめカメラまでお問い合わせください。

技術者が最適なメンテナンスを提供し、長く愛用できるカメラを維持するためのサポートをいたします。

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