オリンパスPEN FTのよくある故障、修理はできるか?修理代の相場は?

目次

オリンパスPENFTのよくある故障

オリンパス PEN FTは、1966年に発売された高性能なハーフサイズ一眼レフカメラで、多くのファンに支持されています。しかし、長期間の使用や経年劣化により、いくつかの故障症状が発生することがあります。以下に代表的な故障症状を挙げます。

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1. オリンパスPEN FTのシャッターの故障

① スローガバナの油切れ

長期間保管されていたPEN FTでは、低速シャッター(1/15秒以下など)が開きっぱなしになったり、閉じきらずに止まることがあります。これはスローガバナ(低速シャッター制御部)の油分が乾き、回転が粘っていることが原因です。軽度であれば洗浄と再注油で回復しますが、FTでは露出計連動部や追加ギアも隣接しており、摩擦のバランスを取りながら分解整備する必要があります。

② シャッター/ミラー機構のバランスずれ

PEN FTはロータリーシャッターとミラーユニット、そして露出計連動部が一体で動く設計になっています。この連動バランスが崩れると、
・シャッターが途中で止まる
・ミラーが戻らずファインダーが暗いままになる
・巻上げはできるがシャッターが切れない
といった症状が起こります。
内部のギア噛み合わせのズレや、古いグリスが抵抗になっている場合が多く、各部の動力伝達を再調整する必要があります。

③ 巻上げ・巻戻し機構の重さ

フィルム巻上げや巻戻しが重い、あるいは途中で止まる場合は、軸受け部の油切れやグリスの硬化が主な原因です。PEN FTは露出計機構が追加された分、内部構造がより密になっており、わずかな抵抗でも動作に影響が出やすい設計です。グリスの再注油だけでなく、全体の動作バランスを整える総合的な点検が必要となります。

2. オリンパスPENFTの露出計の不具合

① 露出計が反応しない

最も多いのは「針がまったく動かない」という症状です。これは単に電池切れのこともありますが、電池室の接点腐食配線の断線、そしてCdSセンサー自体の劣化が原因のことも多いです。特に長期間、電池を入れっぱなしにしていた個体では、電池の液漏れによって接点部が酸化し、通電していない状態になっていることが少なくありません。

電池室の金具やリード線を洗浄・再ハンダ付けすることで回復することもあり、まずは導通の確認と回路の健全性を点検します。CdS素子自体が寿命を迎えている場合は、同特性の素子を選定して交換し、指示値を再調整することも可能です。

② 露出計が不正確な値を示す

露出計が反応はするものの、明るさに対して指示がずれている場合、原因は主にCdS素子の感度低下、または電池電圧の違いです。

PEN FTが設計された当時の水銀電池(1.35V)は現在使用できず、現行のアルカリ電池や銀電池(1.5V)を使用すると電圧がわずかに高いため、露出計の針が実際よりも明るめを示す傾向になります。この場合は、内部で指示値を再調整し、現在入手可能な電池で実用的な精度に合わせることができます。

また、露出計連動アームの動作抵抗が増していると、メーターの指示が途中で止まることもあります。機械的な部分の清掃・注油で改善するケースも多く、電気系だけでなく機構全体を整えることが大切です。

③ 露出計の針が動かない・動きが鈍い

露出計の針が途中で止まったまま動かない、あるいは反応が非常に鈍い場合、内部のメーターユニットそのものが経年で粘っている可能性があります。CdS素子からの信号が来ていても、針を動かすコイルや摺動部が固着していると、動作しません。

この場合は露出計ユニットを慎重に分解し、微細なスプリングやコイルを損なわないように清掃・調整します。場合によっては、針の支持軸をわずかに緩めて抵抗を抜くことで回復することもあります。

3. オリンパスPENFTのミラーの故障

① ミラーが上がったまま戻らない

最も多いのは、シャッターを切ったあとにミラーが戻らず、ファインダーが真っ暗になる症状です。PEN FTでは、シャッター・ミラー・露出計連動機構がギアで複雑に連動しており、シャッター側の摩擦やグリスの劣化によって回転ミラーが途中で止まってしまうことがあります。また、シャフト部の潤滑切れやスプリングのテンション低下も原因となりやすく、軽度の場合は洗浄と注油で改善しますが、バランス調整を含む整備が必要です。

② ミラーが腐食してきたない

ファインダーを覗いたときに像が白っぽく見えたり、全体がもやっと曇っているように感じる場合は、ミラー表面やハーフミラー部の反射膜が腐食している可能性があります。PEN FTは露出計との連動のために光を分割する半透過ミラーを使用しており、反射面の酸化やコーティングの劣化が起こりやすい構造です。軽度であれば清掃で改善しますが、腐食が進行している場合は交換や補修が必要になります。なお、わずかな劣化であれば撮影やピント精度にはほとんど影響しません。

③ ミラーが外れてしまっている

PEN FTではミラーの動作衝撃がやや強く、経年で接着が弱まりミラーが外れてしまうことがあります。この場合は位置を正確に合わせて再接着する必要があります。無理に戻さず、そのままの状態でご送付ください。ミラーが割れている場合は新しいミラーを切り出して装着しますが、その際はピント位置の微調整が必要になります。これらの作業はいずれも専門的な整備で対応可能です。

4. オリンパスPENFTの絞り連動機構の不具合

① シャッターを切っても絞りが動かない

PEN FTでは、ミラーユニットの動作に合わせてレンズ後端のピンを押し込み、その衝撃で絞り羽根を閉じる仕組みになっています。露出計が内蔵されているため、Fよりもミラーや連動部の構造がやや複雑で、レンズ側の絞り羽根がわずかに粘っているだけでも正常に動作しなくなることがあります。

そのため、「シャッターは切れるのに絞りが動かない」「ファインダーが暗くならない」といった症状の多くは、ボディではなくレンズ側の粘りが原因です。まずはレンズの絞り羽根部を分解清掃し、古い油を除去して軽い動作に整えることで、ミラーユニットの力でも確実に開閉できるようになります。

② レンズを交換したら症状が変わる

PEN FTでは、レンズごとに絞りレバーのテンションや作動角度に個体差があります。そのため、「あるレンズでは問題ないが、別のレンズでは絞りが閉じない」「動きが遅い」といった症状が起こることがあります。

この場合も、ほとんどはレンズ内部の絞り羽根の粘りやグリス劣化が原因です。ボディ側の調整よりも、まずレンズを分解して動作を軽く整えることで改善するケースがほとんどです。

5. オリンパスPENFTのフィルム巻き上げ機構の不具合

① 巻き上げが重い・途中で止まる

PEN FTで最も多い症状のひとつが、巻き上げが重い・途中で止まるというものです。
FTの巻き上げ機構は、ミラーウニっと・シャッターユニット、スローガバナーが同時に動作するため、どこか一箇所でも油切れや粘りがあると全体の動作が止まってしまいます。特に底部のギア群や巻き上げ軸まわりのグリスが経年で硬化していることが多く、洗浄と再注油で改善するケースがほとんどです。

また、無理に力を入れて巻いてしまうと、ギア歯の欠けやラチェット軸の変形につながる場合があります。巻き上げ時に「引っかかる」「途中で止まる」といった違和感を感じた段階で、早めに整備を行うことが望ましいです。FTは構造が緻密なため、力任せの操作は禁物です。

② シャッターが切れないのに巻けてしまう

巻き上げレバーは動くのに、シャッターが切れない/巻き上げが空回りするという症状もよく見られます。PEN FTでは巻き上げとシャッター作動の同期を取るためのラチェットやカム爪が複雑に連動しており、その噛み合わせがずれると「チャージ完了の信号」だけが立ったまま、実際にはシャッターが作動していない状態になります。この場合は内部のスプリングや爪位置を調整し、正しいタイミングで動作するよう整備が必要です。

6. オリンパスPENFTのレンズのカビ・曇り

① レンズのカビ・曇り

PEN FT用レンズ(Fマウントレンズ)は、複数のガラス群が接着・かしめ止めされた精密な構造を持っています。長年の湿気や保管環境の影響で、ガラス表面や接合部にカビが発生したり、内部の曇りが進行していることがあります。FTは露出計を内蔵しているため、ファインダー像の明るさや光路に影響が出やすく、レンズの透過率低下が露出精度にも関係します。

カビは前玉や後玉付近に見られることが多く、糸状や点状に広がるのが特徴です。軽度であれば分解清掃で除去できますが、ガラス表面に菌糸が残ると“カビ跡”としてわずかに残る場合もあります。また、貼り合わせレンズ(接着面)の曇りは内部までアクセスできないため、完全除去が難しいケースもあります。

曇りはコーティングの劣化やバルサム切れが原因のこともあります。撮影時にコントラスト低下や逆光時のフレアが見られる場合は、分解清掃で可能な限り光学性能を回復させ、透過率を改善します。ただし、メーカーがかしめで固定しているユニット部分は安全を優先し、無理に開けず対応します。

清掃後は「抜けが良くなった」「露出が安定した」と感じられることが多く、実用上は十分な回復が見込めるケースがほとんどです。

② 絞り羽根の動作不良

長期間保管されたPEN FT用レンズでは、絞り羽根の粘りや開閉不良が非常に多く見られます。原因は主に、内部のグリスが経年でにじみ出て羽根の根元に回り込み、動きを妨げているためです。

症状としては、「絞りリングを回しても羽根が動かない」「ゆっくり閉じて戻らない」「途中で止まる」など。PEN FTのミラーユニットは、レンズの絞りピンを叩いて羽根を閉じる構造のため、羽根が少しでも重いとミラー動作のタイミングがずれ、露出計の指示やシャッター動作に影響が出ることがあります。

整備では、後群を分解して絞りユニットまでアクセスし、古いグリスを完全に除去します。羽根を無潤滑でスムーズに動作させるよう調整し、軽快な動きに戻します。絞りの粘りが取れると、シャッターとミラーの連動も正確になり、FT本体への負担が大幅に軽減されます。

絞り羽根の重さを放置すると、ミラーユニットのスプリングや露出計連動部にも負担がかかります。レンズ整備を早めに行うことが、PEN FT全体の寿命を延ばすことにもつながります。

7. オリンパスPENFTのファインダーの曇りやゴミ

① ファインダー内のゴミが見える場合

ファインダー内に黒い点やホコリのようなゴミが見える場合、その多くはカメラ内部のモルト(遮光用スポンジ)の劣化が原因です。経年劣化したモルトが粉状に崩れ、その細かい粒がファインダー内部に入り込んでしまうことがあります。

PEN FTでは、ミラー室の周囲にモルトが配置されており、劣化した破片がミラー経由でプリズム内部や接眼部にまで達してしまうことがあります。露出計のハーフミラーを通る光路にも入り込みやすく、視界の中に黒い影が見える原因になります。このようなゴミは外からブロアーで飛ばしても除去できず、時間が経つと再び混入してしまいます。

根本的な解決には、ファインダー部を分解して内部を清掃し、同時にモルトを新しいものへ張り替える必要があります。古いモルトをそのまま残して清掃だけ行うと、再び粉が落ちてくるため、清掃とモルト交換は必ずセットで行うのが理想です。モルトをきちんと交換することで、ファインダーの視界を長く清潔に保つことができます。

② ファインダーの曇り・見えにくさ

ファインダーが白っぽく曇ったり、全体がくすんで見える場合は、内部の光学部品に劣化や腐食が起きている可能性があります。PEN FTのファインダーは、露出計の光を取り込むためのハーフミラーと複数のプリズムで構成されており、曇りや腐食の発生箇所によって症状が異なります。

よくあるのは、接眼部側プリズムの腐食です。湿気や接着剤の劣化によりプリズム表面が白く濁り、視界がぼやけて見えるようになります。次に多いのが、ハーフミラーやミラー側プリズムの腐食です。ここが曇ると、露出計の指針が見えづらくなったり、中央にモヤが出て全体が暗く感じられることがあります。

また、フォーカシングスクリーンの表面に細かい傷や汚れがあると、光が乱反射してコントラストが低下します。内部の反射ミラーも銀膜が酸化してくると、反射率が落ちてファインダー像が暗くなります。これらはいずれも外からは確認できない箇所で起こるため、分解してプリズムやミラーを清掃・研磨し、必要に応じて交換することで改善します。

PEN FTのファインダーは、露出計を内蔵している関係で構造がやや複雑ですが、適切に整備すれば視界を改善できます。定期的に清掃とモルト交換を行うことで、長く気持ちよく使える状態を保つことが可能です。

8. オリンパスPENFTのフィルムカウンターの不具合

オリンパスPEN F/FTのフィルムカウンターが動かない、あるいは途中で止まってしまうという症状は、この機種ではとてもよく見られます。原因のほとんどは「固着」です。

PEN Fのフィルムカウンターは、巻き上げ軸と連動する非常に細かいギアとレバーによって動作しています。このギアに塗られたグリスが経年で乾いて硬化すると、動きが鈍くなり、ついには完全に止まってしまいます。特に長期間使われていなかった個体では、内部のグリスがロウのように固まり、部品がほとんど動かない状態になっていることもあります。

また、カウンターをリセットする機構(裏蓋を開けた際にゼロに戻す部分)も同じグリスで潤滑されており、ここが固着しているとカウンターがゼロに戻らなかったり、中途半端な位置で止まったままになることがあります。

このような症状は、古いグリスを完全に除去し、適切な粘度の潤滑剤を再塗布することでほとんどが改善します。部品が欠けたり折れているケースはまれで、洗浄と注油だけで軽快に動作を取り戻すことが多いです。

見た目には小さなトラブルですが、カウンター部は巻き上げやシャッターとも連動しており、固着を放置すると巻き上げが重く感じられることもあります。長年動かしていないPEN Fを手に取ったときは、ぜひフィルムカウンターの動きにも注目してみてください。数字が動かないのは、カメラが「そろそろ中を整えてほしい」と教えてくれているサインかもしれません。

まとめ

オリンパス PEN FTは、その高品質な構造と独特のデザインから多くの人に愛されていますが、長年の使用により様々な故障症状が発生することがあります。これらの問題を予防・解消するためには、定期的なメンテナンスや専門家による修理が重要です。

オリンパスPEN FTの修理内容について

シャッターの整備・調整

  • シャッター機構の分解洗浄と注油
  • スローガバナ部の清掃と動作確認
  • シャッタースピードの点検・調整
  • 連動カムおよびテンションのバランス調整

露出計・電気系統の整備

  • CdSセンサーの感度点検および交換(必要時)
  • 電池室・接点部の腐食除去と導通確認
  • 露出計針・メーターユニットの動作確認と清掃
  • 現行電池に合わせた指示値の再調整(キャリブレーション)

ミラー機構の整備

  • 回転ミラー軸・駆動部の洗浄と注油
  • ハーフミラー部の汚れ・腐食確認と清掃
  • ミラー作動タイミングおよび露出計光路の調整

絞り連動機構の整備

  • ミラーユニットと絞り連動アームの動作確認・調整
  • レンズ側絞りピンの作動確認
  • 必要に応じてレンズ絞り部の清掃・軽動化

フィルム巻き上げ・巻戻し機構の整備

  • 巻き上げ軸・底部ギア群の洗浄と再注油
  • ラチェットおよびスプリング部の点検と調整
  • 巻き上げとシャッター連動部の同期確認

レンズの清掃・調整

  • 前玉・後玉の分解清掃(可能な範囲)
  • カビ・曇り・チリの除去
  • 絞り羽根部の粘り除去と動作調整
  • ヘリコイドの洗浄・グリス再塗布

ファインダー・プリズム系の整備

  • ファインダー内のゴミ・曇り除去
  • ハーフミラー・プリズムの清掃と腐食確認
  • フォーカシングスクリーンの清掃または交換
  • モルトの除去と新規貼り替え

フィルムカウンターの整備

  • カウンター部ギアの固着解除と洗浄
  • リセット機構の動作確認・注油
  • カウント精度および連動動作の調整

カメラ内部の総合点検

  • 全体機構の動作確認と注油ポイント整備
  • 摩耗部の補修または部品交換(必要時)
  • シャッター・ミラー・巻き上げの総合バランス調整
  • 露出計連動ギア系統の同期確認

外観メンテナンス

  • 外装・軍艦部・底部のクリーニング
  • 貼り革の補修または貼り替え
  • モルト交換と外装仕上げ

動作確認・最終チェック

  • フィルム装填・巻き上げ・巻戻し動作確認
  • シャッタースピード・露出計・ミラー動作の連動確認
  • 各操作部の感触・作動テスト

オリンパスPENFTの修理代の相場は?修理当社は安い?

オリンパスPEN Fはハーフサイズの一眼レフです。

ニコンFEやオリンパスOM1など機械式一眼レフフィルムカメラを、すべて点検して修理する「総合修理」した場合の相場価格です。各社ほとんどが税抜表示でしたので、税込み価格で統一しています。

スクロールできます
A社:19,800円~G社:19,800円~M社:14,300円~
B社:19,800円~H社:非公開N社:19,800円~
C社:19,800円~I社:17,600円~O社:16,500円~
D社:24,200円~J社:22,000円~P社:19,800円~
E社: 5,500円~K社:25,300円~
F社:15,180円~L社:非公開
2024年16社調査結果

上記の価格に部品代がかかる場合があります。経験上2,000円~6,000円ほどの追加料金が発生することが多いです。

かもめカメラ

当社かもめカメラは、一眼レフの全体修理をお受けしております。料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。

当社の修理が、おすすめできる理由は「かもめカメラ5つのお約束」をご覧ください!きっとご満足いただける修理をご提供できます。

フィルムカメラ修理の値段はなぜバラバラ?

フィルムカメラの修理はメーカーや国が作った資格のない仕事です。唯一信頼できるのが、今は70歳か80歳くらいになったメーカーの研修を受けたエンジニアの方たちの経験と知識です。かもめカメラはニコン、オリンパス、ペンタックス、キャノンなどのメーカー研修を受けた技術者から直接指導を受けて、検査機を使って修理調整しています。

資格がなくても修理ができる業界なので、趣味で修理をしている方や、最近では転売をしている方が作ったカメラ修理士という独自の名称で修理を受け付けている方もいます。

それで残念ながら価格や技術がバラバラで一律した基準がなかなかない比較しにくい現状があります。

オリンパスPEN FTのオーバーホール料金

オーバーホールの定義は、部品全てを分解して修理するというものかもしません。でもカメラの場合は、分解してはいけない場所もあります。ミリ単位で調整がしてあり、触るとかえっておかしくなってしまう部品箇所があるんです。

それで、各修理屋さんでオーバーホールの意味合いが違うと思います。

かもめカメラではオーバーホールを総合修理という言い方にしています。全体の検査を行い、機能を損なわない箇所まで分解し、清掃・注油・設定調整を行います。

古いフィルムカメラをどこまで修理するか?

フィルムカメラ修理は手を抜こうと思うとたくさん妥協できるところがある修理業種です。でも手を抜いていくと、露出が暗くなってしまったり明るすぎてしまったり、使い心地が枠瑠なったり、しばらくすると調子が悪くなったりしてしまいます。例えば以下のような残念なことがよく起きます。

よくあるフィルムカメラ修理の残念な事例

手を抜いてしまう修理だと、一応動くけどなんだかおかしい・・・ということがよくあります。例えば・・・

  • モルトの劣化が見逃され、撮影状況によっては感光光線漏れする
  • 1枚1枚のコマ間が大きくずれている
  • 速度が不正確で高速になればなるほど遅くなり、全体が開かないこともある
  • 露出計の表示が不正確で、その表示に合わせて設定をすると暗すぎ明るすぎな写真になる
  • 配線が繋がっているがギリギリ首の皮一枚の状態でしばらくすると電気系が動かなくなる
  • 各操作部品の掃除がされておらず、操作感が気持ち悪い

修理に出して帰ってきたカメラを触っても比較するものがないので、フィルムカメラ初心者の方はこのようなおかしさがわからないことが多いです。『なんだかおかしい・・』とわかってきたころには保証期間が終わってしまい諦めてしまうこともよく聞く話です。

かもめカメラの5つのお約束

フィルムカメラ修理は業界の資格や規定などがないので、明確な決まりごとのないサービスです。修理屋さんによって修理の質や出来上がる写真に大きな違いがでるので、料金の安さだけで比較することはおすすめできません。安心して修理をご依頼いただくために、かもめカメラでは「5つのお約束」を独自に設定しております。

当社かもめカメラの修理料金は相場よりも1,000円ほど高いことがあるかもしれませんが、コスパを考えると絶対にお安いとおすすめできます!

① 6か月保証いたします

日本には四季があり、同じ場所でも温度や湿度が大きく変化します。それで古いフィルムカメラは、冬場はきちんと動いていたのに、夏になったら動かなくなるということがよくあります。かもめカメラでは長期の使用に耐えられることを念頭において修理しています。それで修理終了時期から、季節が変わるであろう半年間を無料保証期間としています。修理が終わったカメラを、半年間たっぷり使って調子を試してください。

② 専用検査機を使って調整します

きれいな写真、自分の思い通りの写真を撮るには、カメラの「シャッター速度・露出計の動作・絞りの動作」この3つがしっかり連動する必要があります。

この3つが正常に動いているかは、人間の眼では確認できないことがほとんどです。専用の試験機で、数値で表示させないととわかりません。この試験機が7桁近くする高価なもので、現在日本で製造しているメーカーもほとんどありません(もうないといってもいい状況です)。

かもめカメラではすべての修理を試験機にかけて調整しています。

③ 検査修理票をお付けします

かもめカメラでは修理をしながら、試験機で行った検査の結果数値とその他目視で行う動作確認を修理票にまとめながら修理を行っています。

そのカメラのシャッター速度や、オートで撮った時の露出計の状態などを数値で表示したものです。

この修理票をお付けしてお返しします。通常では修理屋さんでは絶対にお客様にお見せしないものですが、お客様に安心してお使いいただくために、かもめカメラでは修理票の実物コピーをお付けします。

④ 見て見ぬふりはしません

古いフィルムカメラの修理をしていると言い方がわるいですが、このまま修理しないでお返ししても「きっとお客様は気づかない箇所」がたくさんでてきます。少なくとも保証期間内は影響がでないだろうと思われる箇所もあります。

かもめカメラではこうした箇所も、見過ごさずしっかりと整備いたします、これは性分です。きちんと整備し、修理票に記録してお返しします。

またそれに伴い追加の部品交換などの必要が出た場合もお客様にご相談して対応いたします。

⑤ 全体をクリーニングしてお返しします

かもめカメラは動作・機能を回復させるところまでで完成とは考えておりません。数十年たったカメラを気持ちよく利用していただくために、外装もできる限りのクリーニングをしてお返しします。かなりきれいになります!お楽しみに!!もちろん最後に除菌も行って送付いたします。

追加料金になりますが、ご希望によってお好きなカラーで張り替えることもできますのでご相談ください。

かもめカメラのフィルムカメラ修理の料金一覧

当社かもめカメラは、全体修理をお受けしております。以前は以下に具体的な金額を入れておりましたが、料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。それでここに価格は個々にお見積りさせていただくこととしました。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。

一眼レフお見積り下さい
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