オリンパスPEN EES2のよくある故障、修理はできるか?修理代の相場は?

目次

オリンパスPEN EES2のよくある故障

オリンパス PEN EES2は1968年に発売されたハーフサイズフィルムカメラで、多くのファンに愛用されています。しかし、経年劣化や使用頻度により、いくつかの故障症状が発生することがあります。以下に代表的な故障症状を挙げます。

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1. オリンパスPEN EES2のシャッターの故障

オリンパスPEN EES2では、シャッターが正常に動作しない症状が見られることがあります。
具体的には、シャッターがまったく切れない、動作が遅れる、シャッタースピードが不正確になるといった不具合です。

EES2はプログラムシャッター構造で、シャッター羽根が絞り羽根も兼ねています。そのため、羽根に油や汚れが回り込んで固着すると、シャッターと絞りの両方の動作が不安定になります。

さらに、このカメラは露出計(セレン)の値に連動してシャッターが制御されるため、露出計が正しく動かない場合、シャッターが作動しないこともあります。

2. オリンパスPEN EES2の露出計の不具合

オリンパスPEN EES2の露出計は、電池を使わずセレン光電池で動作する自動露出機構を採用しています。
経年劣化や内部の腐食によって、露出計が反応しない、針の値が安定しない、赤ベロが正しく出ないといった不具合が発生します。

セレンセルの感度低下により光を正しく検出できなくなるほか、配線の腐食や接点不良によって導通が途切れるケースもあります。まれにメーター自体が故障している場合もあり、その場合は指針がまったく動かない、または極端にずれた値を示します。

PEN EES2では露出計とシャッターが連動しているため、露出計が正常に動いていないとシャッターが切れないこともあります。

3. オリンパスPEN EES2の絞り羽根の粘着

オリンパスPEN EES2では、シャッター羽根と絞り羽根が兼用の構造になっています。
そのため、羽根に油や汚れが回り込んで固着すると、シャッターが切れない、動作が遅れる、絞りが動かない、露出が安定しないといった不具合が一度に発生することがあります。

長期間使用されていない個体や、高温多湿な環境で保管されていた個体では、羽根の重なり部分に経年で油分が広がり、粘りによって羽根が途中で止まったり、まったく動かなくなることがあります。

4. オリンパスPEN EES2のフィルム巻き上げ機構の不具合

オリンパスPEN EES2では、フィルムが正しく巻き上がらない、巻き上げレバーが重い・途中で止まる、といった症状が発生することがあります。

原因として多いのは、巻き上げ機構内部に汚れや古いグリスが溜まり、動きが鈍くなっているケースです。長年使われていなかった個体や、湿気の多い環境で保管されていた個体では、グリスが固まってギアやレバーの動きを妨げることがあります。

また、PEN EES2は露出計と巻き上げが連動しており、露出計側に問題がある場合、巻き上げが重く感じられることもあります。

5. オリンパスPEN EES2のレンズのカビ・曇り

オリンパスPEN EES2では、レンズ内部にカビや曇りが発生している個体が多く見られます。
白いモヤのような曇りや、蜘蛛の巣状に広がるカビが発生すると、写真がぼやけたりコントラストが低下する原因になります。

湿度の高い環境で長期間保管されていた個体では特に多く見られる症状です。

6. オリンパスPEN EES2のファインダーの曇りやゴミ

オリンパスPEN EES2では、ファインダー内部に曇りやゴミが発生し、被写体が見えにくくなることがあります。
具体的には、視界の一部に黒い点のようなゴミが映り込んだり、全体が白っぽく曇ってコントラストが低下する症状が見られます。

湿気の多い環境での保管や、経年による内部ガラス面の劣化・汚れが原因となることが多いです。

オリンパスPEN EES2の各故障は直るのか?

EES2のシャッターの故障は直るのか?

シャッターの不具合の原因は汚れによる固着がほとんどですので、修理によって改善できることが多いです。
シャッターユニットを分解し、羽根を一枚ずつ清掃して固着した油を取り除き、必要に応じて潤滑を行うことで、動作が回復します。シャッタースピードの不安定さも調整によって改善が可能です。

シャッターが切れない原因として、露出計の連動だけでなく、内部の動作部品が固着して羽根が動けなくなっている場合があります。PEN EES2はシャッター羽根と絞り羽根が一体構造になっており、羽根を動かすためのリンク機構やカム、軸などが汚れや古いグリスで固着すると、シャッターが開かない・途中で止まるといった症状になります。

このような場合は、ユニットを分解して各部品を清掃し、固着を取り除いたうえで必要な箇所に注油や調整を行います。羽根自体の動作が回復すれば、シャッターも正常に動作するようになります。

適切に分解整備を行えば、PEN EES2のシャッターは十分に修理可能な部類です。

    EES2の露出計の故障は直るのか?

    PEN EES2の露出計は、状態によって修理方法が異なります。

    まず、セレンセル自体の感度が弱っている場合は清掃や調整では回復しないため、セレンセルの交換が必要になります。セレンは現行部品が存在しないため、動作しているPEN EES2などから部品取りをして交換します。

    一方、露出計そのものではなく、露出計まわりの部品(リンク機構・接点・配線など)が汚れや固着によって正常に動作していないだけの場合もあります。このようなケースでは、分解清掃や導通の確保によって機能を回復できることが多いです。

    また、メーター(指針)が壊れている場合は交換対応となります。こちらも部品取り個体からの交換で対応します。

    PEN EES2の露出計は構造が比較的シンプルで、部品の流用も可能なため、適切に点検・清掃・部品交換を行えば修理可能なケースが多い機種です。

    EES2の絞り羽根の故障は直せるのか?

    オリンパスPEN EES2は、シャッター羽根と絞り羽根が兼用の構造になっています。
    そのため羽根に油や汚れが回り込んで固着すると、シャッターが切れない、動作が遅い、絞りが動かない、露出が安定しないといった不具合が同時に発生することがあります。

    長期間動かされずに保管されていた個体や、高温多湿な環境で使われていた個体では、羽根の重なり部分に経年で油がにじみ出し、埃と混ざって粘着しやすくなります。そのまま使用を続けると完全に固着し、羽根がまったく開かなくなることもあります。

    EES2のフィルム巻き上げ機構の故障は直せるのか?

    この症状は、修理によって改善できることがほとんどです。巻き上げ機構を分解し、ギアやレバーの汚れを丁寧に清掃し、古いグリスを除去したうえで必要な箇所に注油を行います。これにより巻き上げが滑らかになり、本来の動作に戻るケースが大半です。

    まれに歯車やスプリングの摩耗が原因で不具合が発生することもありますが、その場合でも部品取り個体からの交換で対応可能です。

    PEN EES2の巻き上げ機構は構造が比較的シンプルで、適切に分解整備を行えば、ほとんどの場合でスムーズな巻き上げ動作を取り戻せます。

    EES2のレンズは清掃できれいになるか

    PEN EES2のレンズは、分解清掃によってかなり綺麗になることが多い 機種です。
    レンズを一枚ずつ丁寧に清掃し、カビや曇りを除去することで、実用上問題のないレベルまで改善できるケースが大半です。

    部品取り用のPEN EES2からレンズユニットを交換できることもありますが、実際には清掃で十分回復するため、交換まで行うことはほとんどありません。

    カビ跡がコーティングに深く残っている場合は完全に消せないこともありますが、描写に影響が出にくいように清掃と調整を行い、できる限りクリアな状態に仕上げます。

    EES2のファインダーは清掃できれいになるか

    PEN EES2のファインダーは、分解清掃によって綺麗になることが多いです。
    ファインダーユニットを取り外し、内部のガラス面を丁寧に清掃することで、ゴミや曇りを取り除き、視界を大きく改善できます。

    内部の曇りが重度の場合や、コーティングが劣化している場合には薄い跡が残ることもありますが、実用上支障がないレベルまでクリアにできるケースがほとんどです。

    PEN EES2のファインダーは構造的に分解清掃がしやすく、適切に整備を行えば十分に見やすい状態へ回復できます。

    オリンパスPEN EES2の修理代の相場は?修理当社は安い?

    ニコンFEやオリンパスOM1など機械式一眼レフフィルムカメラを、すべて点検して修理する「総合修理」した場合の相場価格です。各社ほとんどが税抜表示でしたので、税込み価格で統一しています。

    スクロールできます
    A社:19,800円~G社:19,800円~M社:14,300円~
    B社:19,800円~H社:非公開N社:19,800円~
    C社:19,800円~I社:17,600円~O社:16,500円~
    D社:24,200円~J社:22,000円~P社:19,800円~
    E社: 5,500円~K社:25,300円~
    F社:15,180円~L社:非公開
    2024年16社調査結果

    上記の価格に部品代がかかる場合があります。経験上2,000円~6,000円ほどの追加料金が発生することが多いです。

    かもめカメラ

    当社かもめカメラは、一眼レフの全体修理をお受けしております。料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。

    当社の修理が、おすすめできる理由は「かもめカメラ5つのお約束」をご覧ください!きっとご満足いただける修理をご提供できます。

    フィルムカメラ修理の値段はなぜバラバラ?

    フィルムカメラの修理はメーカーや国が作った資格のない仕事です。唯一信頼できるのが、今は70歳か80歳くらいになったメーカーの研修を受けたエンジニアの方たちの経験と知識です。かもめカメラはニコン、オリンパス、ペンタックス、キャノンなどのメーカー研修を受けた技術者から直接指導を受けて、検査機を使って修理調整しています。

    資格がなくても修理ができる業界なので、趣味で修理をしている方や、最近では転売をしている方が作ったカメラ修理士という独自の名称で修理を受け付けている方もいます。

    それで残念ながら価格や技術がバラバラで一律した基準がなかなかない比較しにくい現状があります。

    フィルムカメラ修理のオーバーホール料金

    オーバーホールの定義は、部品全てを分解して修理するというものかもしません。でもカメラの場合は、分解してはいけない場所もあります。ミリ単位で調整がしてあり、触るとかえっておかしくなってしまう部品箇所があるんです。

    それで、各修理屋さんでオーバーホールの意味合いが違うと思います。

    かもめカメラではオーバーホールを総合修理という言い方にしています。全体の検査を行い、機能を損なわない箇所まで分解し、清掃・注油・設定調整を行います。

    古いフィルムカメラをどこまで修理するか?

    フィルムカメラ修理は手を抜こうと思うとたくさん妥協できるところがある修理業種です。でも手を抜いていくと、露出が暗くなってしまったり明るすぎてしまったり、使い心地が枠瑠なったり、しばらくすると調子が悪くなったりしてしまいます。例えば以下のような残念なことがよく起きます。

    よくあるフィルムカメラ修理の残念な事例

    手を抜いてしまう修理だと、一応動くけどなんだかおかしい・・・ということがよくあります。例えば・・・

    • モルトの劣化が見逃され、撮影状況によっては感光光線漏れする
    • 1枚1枚のコマ間が大きくずれている
    • 速度が不正確で高速になればなるほど遅くなり、全体が開かないこともある
    • 露出計の表示が不正確で、その表示に合わせて設定をすると暗すぎ明るすぎな写真になる
    • 配線が繋がっているがギリギリ首の皮一枚の状態でしばらくすると電気系が動かなくなる
    • 各操作部品の掃除がされておらず、操作感が気持ち悪い

    修理に出して帰ってきたカメラを触っても比較するものがないので、フィルムカメラ初心者の方はこのようなおかしさがわからないことが多いです。『なんだかおかしい・・』とわかってきたころには保証期間が終わってしまい諦めてしまうこともよく聞く話です。

    かもめカメラの5つのお約束

    フィルムカメラ修理は業界の資格や規定などがないので、明確な決まりごとのないサービスです。修理屋さんによって修理の質や出来上がる写真に大きな違いがでるので、料金の安さだけで比較することはおすすめできません。安心して修理をご依頼いただくために、かもめカメラでは「5つのお約束」を独自に設定しております。

    当社かもめカメラの修理料金は相場よりも1,000円ほど高いことがあるかもしれませんが、コスパを考えると絶対にお安いとおすすめできます!

    ① 6か月保証いたします

    日本には四季があり、同じ場所でも温度や湿度が大きく変化します。それで古いフィルムカメラは、冬場はきちんと動いていたのに、夏になったら動かなくなるということがよくあります。かもめカメラでは長期の使用に耐えられることを念頭において修理しています。それで修理終了時期から、季節が変わるであろう半年間を無料保証期間としています。修理が終わったカメラを、半年間たっぷり使って調子を試してください。

    ② 専用検査機を使って調整します

    きれいな写真、自分の思い通りの写真を撮るには、カメラの「シャッター速度・露出計の動作・絞りの動作」この3つがしっかり連動する必要があります。

    この3つが正常に動いているかは、人間の眼では確認できないことがほとんどです。専用の試験機で、数値で表示させないととわかりません。この試験機が7桁近くする高価なもので、現在日本で製造しているメーカーもほとんどありません(もうないといってもいい状況です)。

    かもめカメラではすべての修理を試験機にかけて調整しています。

    ③ 検査修理票をお付けします

    かもめカメラでは修理をしながら、試験機で行った検査の結果数値とその他目視で行う動作確認を修理票にまとめながら修理を行っています。

    そのカメラのシャッター速度や、オートで撮った時の露出計の状態などを数値で表示したものです。

    この修理票をお付けしてお返しします。通常では修理屋さんでは絶対にお客様にお見せしないものですが、お客様に安心してお使いいただくために、かもめカメラでは修理票の実物コピーをお付けします。

    ④ 見て見ぬふりはしません

    古いフィルムカメラの修理をしていると言い方がわるいですが、このまま修理しないでお返ししても「きっとお客様は気づかない箇所」がたくさんでてきます。少なくとも保証期間内は影響がでないだろうと思われる箇所もあります。

    かもめカメラではこうした箇所も、見過ごさずしっかりと整備いたします、これは性分です。きちんと整備し、修理票に記録してお返しします。

    またそれに伴い追加の部品交換などの必要が出た場合もお客様にご相談して対応いたします。

    ⑤ 全体をクリーニングしてお返しします

    かもめカメラは動作・機能を回復させるところまでで完成とは考えておりません。数十年たったカメラを気持ちよく利用していただくために、外装もできる限りのクリーニングをしてお返しします。かなりきれいになります!お楽しみに!!もちろん最後に除菌も行って送付いたします。

    追加料金になりますが、ご希望によってお好きなカラーで張り替えることもできますのでご相談ください。

    かもめカメラのフィルムカメラ修理の料金一覧

    当社かもめカメラは、全体修理をお受けしております。以前は以下に具体的な金額を入れておりましたが、料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。それでここに価格は個々にお見積りさせていただくこととしました。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。

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