「キャノン F1」と言えば、信頼性と堅牢性で名高いカメラですが、長い年月を経た今、その魅力を存分に引き出すためにはメンテナンスが必要不可欠です。
シャッターの動作不良、露出計の故障、フィルム巻き上げ機構のトラブルなど、古いカメラならではの悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、キャノン F1に多い故障の種類と、その修理方法について専門的な視点から詳しく解説します。また、修理費用の相場や、修理時に気を付けるべきポイントもご紹介。これを読むことで、大切なカメラを長く使い続けるためのヒントがきっと見つかるはずです。
「今のまま修理に出すべきか、それとも買い替えるべきか?」 迷っている方も、ぜひ参考にしてください!
キャノン F1のよくある故障
シャッター動作不良の原因と対策
キャノン F1のシャッター動作不良は、経年劣化やグリスの硬化が主な原因です。シャッターが遅れる、途中で止まる、または全く動かないといった症状が見られることがあります。この原因は主に内部メカニズムの摩耗や、シャッター幕の駆動部の潤滑不足によるものです。
修理ではシャッターユニットの分解清掃を行い、新しい潤滑油を適切に塗布します。さらに、部品交換が必要な場合は、当店で在庫のある部品を活用して対応しています。特にメタルシャッターを採用しているF1は調整が重要で、専門的な作業が欠かせません。
経年劣化による露出計の故障
キャノン F1の露出計は、電子部品と針式メーターが組み合わされた構造です。経年劣化により接点不良や回路の断線が起こると、露出計が正確な値を表示できなくなることがあります。
修理ではまず原因を特定し、接点のクリーニングや回路の再接続を行います。電子部品の交換が必要な場合は、オリジナル部品が手に入らないこともあるため、互換性のある代替部品を使用する場合もあります。
モルト(光漏れ防止材)の劣化と光漏れの症状
キャノン F1の背面カバー周辺には、光漏れを防ぐためのモルトが使用されています。しかし、モルトは時間とともに劣化し、硬化や崩れが生じることがあります。劣化したモルトが原因で光漏れが発生すると、フィルムに白い線や斑点状の露光跡が現れます。
修理では、古いモルトを丁寧に除去し、新しいモルトを適切な位置に貼り付けます。この作業は一見簡単そうに見えますが、カメラの密閉性を保つために精密な作業が求められます。
フィルム巻き上げ機構のトラブル
フィルム巻き上げレバーの動作が固い、巻き上げ途中で止まるなどのトラブルは、キャノン F1のユーザーからよく相談を受ける故障の一つです。これらの問題は、内部のギアやレバー機構の摩耗、あるいはグリスの劣化が原因となることが多いです。
修理では、巻き上げ機構を分解して内部を清掃し、必要に応じて摩耗した部品を交換します。また、適切なグリスを塗布することでスムーズな操作感を取り戻します。
キャノン F1の修理内容について
シャッター修理にかかる工程と費用の目安
シャッターの修理では、まず分解して内部の状態を確認します。グリスの硬化や部品の摩耗が確認された場合、それらを清掃または交換します。また、シャッター速度が不安定な場合には、専用の測定器で正確に調整します。修理代の相場は15,000円~25,000円程度です。症状により費用は変動しますので、事前にお見積もりをご依頼ください。
露出計の交換・修理の対応方法
露出計の修理は電子部品の交換や回路の修理が中心となります。当店では、オリジナル部品の在庫がある場合は交換を行い、互換品で対応することも可能です。修理費用は8,000円~20,000円程度で、故障の程度によって変動します。正確な露出計を取り戻すことで、安心して撮影を楽しめるようになります。
モルト交換の重要性と修理費用
モルトの交換は、光漏れを防ぐために欠かせないメンテナンスです。当店では、劣化したモルトを完全に除去し、耐久性の高い新しいモルトを貼り付けます。修理費用は5,000円~8,000円程度です。この小さな修理が、カメラの寿命を延ばす重要なポイントになります。
フィルム巻き上げ機構の修理が必要な場合の注意点
フィルム巻き上げ機構の修理では、内部の分解清掃と部品交換が主な作業となります。特に、部品の在庫状況によって修理期間が変わることがあります。当店では事前に在庫を確認し、可能な限り迅速に対応しています。修理費用は10,000円~20,000円程度ですので、お気軽にご相談ください。
キャノン F1の修理代の相場は?修理当社は安い?
キャノン F1は一眼レフの料金帯です。
ニコンFEやオリンパスOM1など機械式一眼レフフィルムカメラを、すべて点検して修理する「総合修理」した場合の相場価格です。各社ほとんどが税抜表示でしたので、税込み価格で統一しています。
一眼レフ : 総合修理
平均相場価格(税込み)
18,529円
A社:19,800円~ | G社:19,800円~ | M社:14,300円~ |
B社:19,800円~ | H社:非公開 | N社:19,800円~ |
C社:19,800円~ | I社:17,600円~ | O社:16,500円~ |
D社:24,200円~ | J社:22,000円~ | P社:19,800円~ |
E社: 5,500円~ | K社:25,300円~ | |
F社:15,180円~ | L社:非公開 |
当社かもめカメラは、一眼レフの全体修理をお受けしております。料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。
当社の修理が、おすすめできる理由は「かもめカメラ5つのお約束」をご覧ください!きっとご満足いただける修理をご提供できます。
フィルムカメラ修理の値段はなぜバラバラ?
フィルムカメラの修理はメーカーや国が作った資格のない仕事です。唯一信頼できるのが、今は70歳か80歳くらいになったメーカーの研修を受けたエンジニアの方たちの経験と知識です。かもめカメラはニコン、オリンパス、ペンタックス、キャノンなどのメーカー研修を受けた技術者から直接指導を受けて、検査機を使って修理調整しています。
資格がなくても修理ができる業界なので、趣味で修理をしている方や、最近では転売をしている方が作ったカメラ修理士という独自の名称で修理を受け付けている方もいます。
それで残念ながら価格や技術がバラバラで一律した基準がなかなかない比較しにくい現状があります。
キャノン F1のオーバーホール料金
オーバーホールの定義は、部品全てを分解して修理するというものかもしません。でもカメラの場合は、分解してはいけない場所もあります。ミリ単位で調整がしてあり、触るとかえっておかしくなってしまう部品箇所があるんです。
それで、各修理屋さんでオーバーホールの意味合いが違うと思います。
かもめカメラではオーバーホールを総合修理という言い方にしています。全体の検査を行い、機能を損なわない箇所まで分解し、清掃・注油・設定調整を行います。
古いフィルムカメラをどこまで修理するか?
フィルムカメラ修理は手を抜こうと思うとたくさん妥協できるところがある修理業種です。でも手を抜いていくと、露出が暗くなってしまったり明るすぎてしまったり、使い心地が枠瑠なったり、しばらくすると調子が悪くなったりしてしまいます。例えば以下のような残念なことがよく起きます。
よくあるフィルムカメラ修理の残念な事例
手を抜いてしまう修理だと、一応動くけどなんだかおかしい・・・ということがよくあります。例えば・・・
- モルトの劣化が見逃され、撮影状況によっては感光光線漏れする
- 1枚1枚のコマ間が大きくずれている
- 速度が不正確で高速になればなるほど遅くなり、全体が開かないこともある
- 露出計の表示が不正確で、その表示に合わせて設定をすると暗すぎ明るすぎな写真になる
- 配線が繋がっているがギリギリ首の皮一枚の状態でしばらくすると電気系が動かなくなる
- 各操作部品の掃除がされておらず、操作感が気持ち悪い
修理に出して帰ってきたカメラを触っても比較するものがないので、フィルムカメラ初心者の方はこのようなおかしさがわからないことが多いです。『なんだかおかしい・・』とわかってきたころには保証期間が終わってしまい諦めてしまうこともよく聞く話です。
かもめカメラの5つのお約束
フィルムカメラ修理は業界の資格や規定などがないので、明確な決まりごとのないサービスです。修理屋さんによって修理の質や出来上がる写真に大きな違いがでるので、料金の安さだけで比較することはおすすめできません。安心して修理をご依頼いただくために、かもめカメラでは「5つのお約束」を独自に設定しております。
当社かもめカメラの修理料金は相場よりも1,000円ほど高いことがあるかもしれませんが、コスパを考えると絶対にお安いとおすすめできます!
① 6か月保証いたします
日本には四季があり、同じ場所でも温度や湿度が大きく変化します。それで古いフィルムカメラは、冬場はきちんと動いていたのに、夏になったら動かなくなるということがよくあります。かもめカメラでは長期の使用に耐えられることを念頭において修理しています。それで修理終了時期から、季節が変わるであろう半年間を無料保証期間としています。修理が終わったカメラを、半年間たっぷり使って調子を試してください。
② 専用検査機を使って調整します
きれいな写真、自分の思い通りの写真を撮るには、カメラの「シャッター速度・露出計の動作・絞りの動作」この3つがしっかり連動する必要があります。
この3つが正常に動いているかは、人間の眼では確認できないことがほとんどです。専用の試験機で、数値で表示させないととわかりません。この試験機が7桁近くする高価なもので、現在日本で製造しているメーカーもほとんどありません(もうないといってもいい状況です)。
かもめカメラではすべての修理を試験機にかけて調整しています。
③ 検査修理票をお付けします
かもめカメラでは修理をしながら、試験機で行った検査の結果数値とその他目視で行う動作確認を修理票にまとめながら修理を行っています。
そのカメラのシャッター速度や、オートで撮った時の露出計の状態などを数値で表示したものです。
この修理票をお付けしてお返しします。通常では修理屋さんでは絶対にお客様にお見せしないものですが、お客様に安心してお使いいただくために、かもめカメラでは修理票の実物コピーをお付けします。
④ 見て見ぬふりはしません
古いフィルムカメラの修理をしていると言い方がわるいですが、このまま修理しないでお返ししても「きっとお客様は気づかない箇所」がたくさんでてきます。少なくとも保証期間内は影響がでないだろうと思われる箇所もあります。
かもめカメラではこうした箇所も、見過ごさずしっかりと整備いたします、これは性分です。きちんと整備し、修理票に記録してお返しします。
またそれに伴い追加の部品交換などの必要が出た場合もお客様にご相談して対応いたします。
⑤ 全体をクリーニングしてお返しします
かもめカメラは動作・機能を回復させるところまでで完成とは考えておりません。数十年たったカメラを気持ちよく利用していただくために、外装もできる限りのクリーニングをしてお返しします。かなりきれいになります!お楽しみに!!もちろん最後に除菌も行って送付いたします。
追加料金になりますが、ご希望によってお好きなカラーで張り替えることもできますのでご相談ください。
かもめカメラのフィルムカメラ修理の料金一覧
当社かもめカメラは、全体修理をお受けしております。以前は以下に具体的な金額を入れておりましたが、料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。それでここに価格は個々にお見積りさせていただくこととしました。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。
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