今回のOM-1の故障状況【低速ミラーアップ、露出計2オーバー】
今回ご依頼いただいたOM-1は1/4以上の低速だとミラーアップしてしまいます。また露出計が1.5V電池を使うと2段オーバーになってしまいます。その他モルト交換や全体整備が必要なものでした。
OM-1に行った修理内容
通常の全点検整備として以下を行いました。
・ファインダーのクリーニング
・ミラーユニットシャッターユニットスプリング調整
・露出計関連部分点検整備
・シャッター速度確認と調整
・各部洗浄と注油
・その他動作機構確認と調整
・フィルム室クリーニング
・外装クリーニング
・モルトを新品に張替
今回のOM-1のメインはスローガバナーの洗浄と注油です。また幕軸4カ所や各所への注油を行い、後幕が弱くなっていましたのでちょうどよい速度がでるようにスプリングを調整しました。
あとは、速度ダイヤルが重かったので分解しグリスを入れ替えました。また露出計が2段オーバーになっていましたので、調整しちょうどよい数値になるようにメンテナンスいたしました。
また露出計が2段オーバーになっていましたので、調整しちょうどよい数値になるようにメンテンナンスいたしました。
OM-1の露出計調整とミラーアップ現象に関する詳細修理レポート
オリンパスOM-1は、一部のユーザーの間で「露出計が2段オーバーする」「低速シャッターでミラーがアップしたままになる」といった問題が発生することが知られています。今回の修理では、これらの不具合を中心に、カメラの内部調整や必要なメンテナンスを施しました。
まず露出計については、OM-1に標準搭載されている1.35V水銀電池から1.5Vの代替電池に変更されることが多いですが、これにより露出計がオーバーになる場合があります。今回も1.5V電池で2段オーバーの症状が見られたため、露出計の調整を行い、適正な露出が得られるようメンテナンスを実施しました。
また、OM-1で低速シャッターを使用した際のミラーアップ現象についても、多くの場合スローガバナーが原因となります。このスローガバナーの汚れや摩耗が、ミラーアップ現象やシャッター速度の不安定さを引き起こすため、今回の修理ではスローガバナーを分解・清掃し、必要な箇所に注油を行うことで正常な動作を回復させました。
OM-1修理後の効果と再発防止のためのメンテナンスアドバイス
今回の修理によって、OM-1は低速シャッターでのミラーアップ現象が解消され、露出計も安定した表示を示すようになりました。シャッター速度も許容範囲内で正確な値が出るようになっており、再度オーバーホールが必要になる前に適切なメンテナンスを行うことが推奨されます。
OM-1のようなフィルムカメラは、定期的な点検とクリーニングによって長く使用できます。露出計の調整やミラーアップ現象を防ぐためにも、適切な電池の使用とカメラ内部のメンテナンスを継続的に行うことが重要です。特にOM-1では、スローガバナーや露出計の状態がカメラの動作に直接影響を与えるため、定期的な確認が理想的です。
オリンパスOM-1の修理や調整についてご興味のある方は、かもめカメラまでお気軽にご相談ください。多くのOM-1愛用者のカメラ修理を手掛けた経験を活かし、状態に応じた最適なメンテナンスプランをご提案いたします。