Nikon F2のよくある故障、修理はできるか?修理代の相場は?

Nikon F2は、1970年代を代表する機械式一眼レフカメラです。完全機械制御による安定した動作と、堅牢な構造で知られています。電池を使うのは露出計部分のみで、シャッターや巻き上げはすべて機械機構で動作します。長年使用されていない個体でも、適切に整備を行えば再び安定して使える状態に整えることができます。

ただし、経年によるグリスの劣化や内部の汚れが動作を重くし、特有の「キーン」という反響音やガバナー鳴きを生じることがあります。これらは構造上の持病のようなもので、丁寧に整備することで落ち着いた動作音に仕上げることが可能です。「壊れにくいが、放っておくと動きが鈍る」──それがF2の印象です。定期的に整えることで、静かに確実に動く状態を保つことができます。

目次

Nikon F2の特徴と注意点

Nikon F2は、壊れにくく長く使える機械式カメラとして高い評価を受けています。ただし、経年による油切れや材質の変化から、いくつかの部位では注意が必要です。

・電池室カバーはプラスチック製のため、割れやすい
・シャッター動作時の「キーン」という反響音(故障ではないが、整備で軽減できる場合があります)
・巻き上げ時の鳴きや、低速時のガバナー鳴き
・全体的に経年で動作が重くなるが、基本的には壊れにくい構造

また、整備の現場で「修理可能かどうか」を見分ける際の一つの目安があります。ファインダー脱着ボタンを強く押しすぎてレバーを変形させてしまうと、ファインダーが外れなくなることがあります。この状態では修理が難しくなります。一方で、無理な分解や改造がされていない個体であれば、整備によって安定した動作を取り戻せる場合が多いです。

フォトミックファインダーの中では、SBやAS(LED式)の露出計が点灯しないことが多く、電気系の劣化が進んだ個体では修理が難しい場合があります。

Nikon F2のよくある故障

ファインダーの汚れ・曇り

Nikon F2では、長年の使用や保管環境によってファインダー内部に汚れや曇りが見られることがあります。特にプリズム上面や接眼部にカビや曇りが出ると、ファインダー像が白っぽく感じられることがあります。フォトミックファインダー装着機では、光路が複雑なため、汚れが見え方に大きく影響します。

整備ではプリズムユニットを分解し、ガラス面や反射面を清掃します。腐食が進んでいる場合は交換を検討します。清掃後は、ピントの山が見やすく、自然な明るさを取り戻せる場合があります。

露出計・フォトミックファインダーの不具合

Nikon F2のフォトミックファインダー(特にSB・ASタイプ)では、露出計の不点灯や指針の不動がよく見られます。これは内部の電気接点や基板の経年劣化によるもので、LED式のモデルでは修理が難しい場合があります。また、ファインダーを着脱する際のボタンを強く押し込みすぎると、内部のレバーが変形し、ファインダーが外れなくなることがあります。

整備ではファインダー内部の接点や電池室の清掃、導通確認を行い、動作の安定を図ります。電気系の不調がある個体でも、ファインダーとしての視認性を整えることで快適に使用できるように仕上げます。

シャッター・ガバナーの鳴き

低速シャッター時に「キーン」という高音が出ることがあります。これはガバナー部の油切れや汚れによる反響音で、経年個体ではよく見られる症状です。新品時から軽い音が出る個体もありますが、整備によって静かに整えることが可能です。

整備では、ガバナーや関連ギアを分解せずとも注油点検を行い、必要に応じて部分的に清掃を行います。部品摩耗が少ない構造のため、適切な整備で安定した動作音に整えられます。

巻き上げ機構の重さ・鳴き

巻き上げが重く感じられたり、鳴きが出る場合は、グリスの劣化や内部ギアの摩耗が原因です。長期間動かしていない個体では、油が硬化し、動作時に摩擦音を伴うことがあります。
無理に動かすと部品を傷める恐れがあるため、慎重な扱いが必要です。

整備では巻き上げ部を点検し、古いグリスを適切に除去して必要箇所に注油を行います。仕上がりは軽やかで静かになり、F2特有のしっかりとした手応えを保ちながら、スムーズな巻き上げ感触に整います。

各部機構の固着・動作不良

長期間保管されていた個体では、セルフタイマーや巻き戻し機構、シャッターユニット内部の一部に固着が見られることがあります。これはグリスの乾きや埃の付着によるもので、動作が途中で止まったり、戻りが遅くなるといった症状につながります。

整備では各部を点検し、動きの重い箇所を中心に清掃と注油を行います。機構同士の連動具合を確認しながら調整することで、全体の動作が落ち着いたテンポに整っていきます。無理に動かすのではなく、自然な抵抗感で動く状態を目指すのがF2の整備では大切です。

Nikon F2の修理内容について

整備の基本方針は、動作の信頼性を取り戻し、長く安定して使える状態に整えることです。F2は構造が精密で部品点数も多いため、部分的な修理よりも全体を見渡した整備を行うことで、結果的に動作が安定します。主な整備内容は次のとおりです。

  • シャッター各部の点検と調整
  • 巻き上げ各部の点検と調整
  • ガバナー各部の点検と調整
  • ファインダー内部の清掃および視認性の確認
  • 露出計および接点部の導通確認と清掃
  • 各部ギア・軸受けへの適量注油
  • フィルム室および外装のクリーニング
  • モルトの張り替え

整備の仕上げでは、各部の動きのバランスを確かめながら調整を行います。整備を終えたF2は、静かで落ち着いた動作と、手に伝わるしっかりとした感触が戻ります。新品のような軽さではなく、使い込まれた機械としての自然な動きを目指します。

Nikon F2の修理代の相場は?修理当社は安い?

ニコンFEやオリンパスOM1など機械式一眼レフフィルムカメラを、すべて点検して修理する「総合修理」した場合の相場価格です。各社ほとんどが税抜表示でしたので、税込み価格で統一しています。

スクロールできます
A社:19,800円~G社:19,800円~M社:14,300円~
B社:19,800円~H社:非公開N社:19,800円~
C社:19,800円~I社:17,600円~O社:16,500円~
D社:24,200円~J社:22,000円~P社:19,800円~
E社: 5,500円~K社:25,300円~
F社:15,180円~L社:非公開
2024年16社調査結果

上記の価格に部品代がかかる場合があります。経験上2,000円~6,000円ほどの追加料金が発生することが多いです。

かもめカメラ

当社かもめカメラは、一眼レフの全体修理をお受けしております。料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。

当社の修理が、おすすめできる理由は「かもめカメラ5つのお約束」をご覧ください!きっとご満足いただける修理をご提供できます。

フィルムカメラ修理の値段はなぜバラバラ?

フィルムカメラの修理はメーカーや国が作った資格のない仕事です。唯一信頼できるのが、今は70歳か80歳くらいになったメーカーの研修を受けたエンジニアの方たちの経験と知識です。かもめカメラはニコン、オリンパス、ペンタックス、キャノンなどのメーカー研修を受けた技術者から直接指導を受けて、検査機を使って修理調整しています。

資格がなくても修理ができる業界なので、趣味で修理をしている方や、最近では転売をしている方が作ったカメラ修理士という独自の名称で修理を受け付けている方もいます。

それで残念ながら価格や技術がバラバラで一律した基準がなかなかない比較しにくい現状があります。

Nikon F2のオーバーホール料金

オーバーホールの定義は、部品全てを分解して修理するというものかもしません。でもカメラの場合は、分解してはいけない場所もあります。ミリ単位で調整がしてあり、触るとかえっておかしくなってしまう部品箇所があるんです。

それで、各修理屋さんでオーバーホールの意味合いが違うと思います。

かもめカメラではオーバーホールを総合修理という言い方にしています。全体の検査を行い、機能を損なわない箇所まで分解し、清掃・注油・設定調整を行います。

古いフィルムカメラをどこまで修理するか?

フィルムカメラ修理は手を抜こうと思うとたくさん妥協できるところがある修理業種です。でも手を抜いていくと、露出が暗くなってしまったり明るすぎてしまったり、使い心地が枠瑠なったり、しばらくすると調子が悪くなったりしてしまいます。例えば以下のような残念なことがよく起きます。

よくあるフィルムカメラ修理の残念な事例

手を抜いてしまう修理だと、一応動くけどなんだかおかしい・・・ということがよくあります。例えば・・・

  • モルトの劣化が見逃され、撮影状況によっては感光光線漏れする
  • 1枚1枚のコマ間が大きくずれている
  • 速度が不正確で高速になればなるほど遅くなり、全体が開かないこともある
  • 露出計の表示が不正確で、その表示に合わせて設定をすると暗すぎ明るすぎな写真になる
  • 配線が繋がっているがギリギリ首の皮一枚の状態でしばらくすると電気系が動かなくなる
  • 各操作部品の掃除がされておらず、操作感が気持ち悪い

修理に出して帰ってきたカメラを触っても比較するものがないので、フィルムカメラ初心者の方はこのようなおかしさがわからないことが多いです。『なんだかおかしい・・』とわかってきたころには保証期間が終わってしまい諦めてしまうこともよく聞く話です。

かもめカメラの5つのお約束

フィルムカメラ修理は業界の資格や規定などがないので、明確な決まりごとのないサービスです。修理屋さんによって修理の質や出来上がる写真に大きな違いがでるので、料金の安さだけで比較することはおすすめできません。安心して修理をご依頼いただくために、かもめカメラでは「5つのお約束」を独自に設定しております。

当社かもめカメラの修理料金は相場よりも1,000円ほど高いことがあるかもしれませんが、コスパを考えると絶対にお安いとおすすめできます!

① 6か月保証いたします

日本には四季があり、同じ場所でも温度や湿度が大きく変化します。それで古いフィルムカメラは、冬場はきちんと動いていたのに、夏になったら動かなくなるということがよくあります。かもめカメラでは長期の使用に耐えられることを念頭において修理しています。それで修理終了時期から、季節が変わるであろう半年間を無料保証期間としています。修理が終わったカメラを、半年間たっぷり使って調子を試してください。

② 専用検査機を使って調整します

きれいな写真、自分の思い通りの写真を撮るには、カメラの「シャッター速度・露出計の動作・絞りの動作」この3つがしっかり連動する必要があります。

この3つが正常に動いているかは、人間の眼では確認できないことがほとんどです。専用の試験機で、数値で表示させないととわかりません。この試験機が7桁近くする高価なもので、現在日本で製造しているメーカーもほとんどありません(もうないといってもいい状況です)。

かもめカメラではすべての修理を試験機にかけて調整しています。

③ 検査修理票をお付けします

かもめカメラでは修理をしながら、試験機で行った検査の結果数値とその他目視で行う動作確認を修理票にまとめながら修理を行っています。

そのカメラのシャッター速度や、オートで撮った時の露出計の状態などを数値で表示したものです。

この修理票をお付けしてお返しします。通常では修理屋さんでは絶対にお客様にお見せしないものですが、お客様に安心してお使いいただくために、かもめカメラでは修理票の実物コピーをお付けします。

④ 見て見ぬふりはしません

古いフィルムカメラの修理をしていると言い方がわるいですが、このまま修理しないでお返ししても「きっとお客様は気づかない箇所」がたくさんでてきます。少なくとも保証期間内は影響がでないだろうと思われる箇所もあります。

かもめカメラではこうした箇所も、見過ごさずしっかりと整備いたします、これは性分です。きちんと整備し、修理票に記録してお返しします。

またそれに伴い追加の部品交換などの必要が出た場合もお客様にご相談して対応いたします。

⑤ 全体をクリーニングしてお返しします

かもめカメラは動作・機能を回復させるところまでで完成とは考えておりません。数十年たったカメラを気持ちよく利用していただくために、外装もできる限りのクリーニングをしてお返しします。かなりきれいになります!お楽しみに!!もちろん最後に除菌も行って送付いたします。

追加料金になりますが、ご希望によってお好きなカラーで張り替えることもできますのでご相談ください。

かもめカメラのフィルムカメラ修理の料金一覧

当社かもめカメラは、全体修理をお受けしております。以前は以下に具体的な金額を入れておりましたが、料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。それでここに価格は個々にお見積りさせていただくこととしました。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。

一眼レフお見積り下さい
レンジファインダー機お見積り下さい
コンパクト機お見積り下さい
モルト交換お見積り下さい
その他部分修理お見積り下さい
レザー張り替えお見積り下さい
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次