中判レンズの中でも注目されているMamiya Sekor C 80mm f/1.9。その名を聞いたことがあっても、「どんなレンズなの?」と思う方も多いかもしれません。Flickrでの話題からも、その魅力は確かなものだと感じられます。特に、f/1.9という中判では珍しい明るさと、柔らかなボケ味が生み出す写真は、多くのフォトグラファーにとって魅力的です。
この記事では、Mamiya Sekor C 80mm f/1.9の特性や、多くの人々に愛される理由について解説します。また、レンズの修理をしたお客様がイタリア旅行で撮影した写真を送ってくださったので、その写真も紹介します。
Flickrで話題のMamiya Sekor C 80mm f1.9の特徴と魅力
Mamiya Sekor C 80mm f/1.9は、中判カメラMamiya RB67シリーズおよびRZ67シリーズに対応するレンズで、特にその明るさとボケ味が評価されるクラシックな中望遠レンズです。このレンズの特徴と魅力について詳しく説明します。
1. 明るい開放値f/1.9の魅力
Mamiya Sekor C 80mm f/1.9の最大の特徴は、f/1.9という非常に明るい開放値です。この明るさは中判レンズでは珍しく、特に低照度のシーンで強い味方となります。例えば、ポートレート撮影において被写体の顔にしっかりと焦点を合わせながら、背景を大きくぼかすことが可能です。これにより、立体感を持った写真が撮れ、モデルの表情や質感を際立たせることができます。自然光の少ない屋内での撮影や夕暮れ時でも、手持ちで美しい画を撮ることができるため、暗い環境でもその威力を発揮します。
2. 柔らかなボケと立体感
f/1.9の開放値は、とろけるような柔らかなボケを生み出します。背景が美しく溶け込むようにぼけ、被写体を引き立たせることで視覚的な分離感が際立ちます。これにより、ポートレート撮影はもちろん、花や小物の撮影でも、非常に印象的な画を作り出すことができます。中判カメラの大きなフォーマットと組み合わさることで、独特の立体感が生まれ、他のレンズでは得られない存在感を持つ写真に仕上がります。この立体感は、特にフィルムで撮影した場合にその魅力が最大限に引き出されると評されています。
3. プロフェッショナル向けの高い描写性能
Mamiya Sekor C 80mm f/1.9は、Mamiyaのプロフェッショナル用中判カメラシステムに対応するため、非常に高い描写性能を持っています。細部までくっきりとした解像力を保ちながらも、開放付近での柔らかな描写が魅力です。このレンズはカラー再現にも優れており、自然な発色と鮮やかなコントラストが得られます。特にポートレートにおいては、肌の色味を美しく再現し、柔らかな質感を与えることで、被写体の自然な魅力を引き出します。また、フィルムならではの質感と相まって、懐かしさと現代的な描写のバランスが取れた一枚を撮ることができます。
Mamiya Sekor C 80mm f1.9の作例/review
今回ヨーロッパの旅行を計画しておられるお客様からMamiya Sekor C 80mm f1.9の清掃メンテナンスの依頼を頂きました。
旅行後、メンテナンスしたMamiya Sekor C 80mm f1.9を使って撮った、素敵な写真を送ってくださいました。ご許可くださいましたので掲載させていただきます。
イタリアの石畳の路地、ホテルから山の景色とゆっくり流れる時間、旅先の空気を感じることができる素敵な写真でした。自分はほんとに修理ばかりでしっかり写真が撮れるかだけの確認写真ばかりなので、こういった写真を送ってくださると本当に励みになります。
一生懸命に直したレンズやカメラがお客様の思い出のひとこまをこんな素敵な形で残せるお手伝いができるなんてとてもうれしいです。写真を送ってくださったk様、ありがとうございます!
Mamiya Sekor C 80mm f1.9のメンテナンスの必要性
お預かりしたMamiya Sekor C 80mm f1.9はメンテナンス前はこのくらいの状態でした。
メンテナンス後はこちらです。
クリーニングするととてもきれいになるやりがいのある個体でした。詳しくは以下の記事ご覧ください。