オリンパス35DCのよくある故障、修理はできるか?修理代の相場は?

目次

オリンパス35DCのよくある故障

オリンパス 35DCは1970年代に発売されたコンパクトなレンジファインダーカメラで、固定焦点レンズと自動露出機能を備えています。しかし、長期間の使用や経年劣化により、いくつかの故障症状が発生することがあります。以下に代表的な故障症状を挙げます。

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1. オリンパス35DCのシャッターの故障

シャッターの故障の症状

オリンパス35DCでは、シャッターが切れない、あるいは動作が遅れるといった症状が出ることがあります。
ただしこのカメラの構造上、シャッターが動作しない原因のほとんどは露出計の不具合 によるものです。露出計が正常に動作していない場合、シャッターは安全装置として切れない仕組みになっています。

そのため「シャッターが切れない」と感じる多くのケースは、実際には露出計が動作していないことが根本原因です。ごくまれにシャッター機構そのものに不具合がある場合もありますが、頻度は少なく、主因は露出計にあります。

シャッターの故障は直るか

この症状が改善できるかどうかは、露出計を修理できるかどうかにかかっています
露出計が正常に動作するようになれば、連動してシャッターも切れるようになります。センサーや接点の交換、調整を行うことで、多くの場合は復旧が可能です。

シャッター自体に機械的な不具合があるケースはまれですが、その場合も分解清掃や部品交換によって対応できます。ただし、35DCのシャッター不良の大部分は露出計由来であるため、まずは露出計を点検・修理することが最優先となります。

2. オリンパス35DCの露出計の不具合

露出計の不具合の症状

オリンパス35DCの露出計はCdSセンサーを使用しており、経年によって不具合が生じることがあります。
典型的な症状は、露出計がまったく反応しない、あるいは値が不安定で正確に測れないといったものです。

原因として多いのは、電池室内の腐食や接点不良、配線の腐食による導通不良です。また、メーターそのものが故障している場合や、センサーが劣化して感度を失っている場合もあります。

露出計の不具合は直るか

この症状は、修理によって改善できるケースがほとんどです。
電池室や配線の腐食は清掃や交換で対応可能で、これらは現行部品を用いて修理できます。そのため基本的には通常の修理費用の範囲で対応可能です。

一方で、センサーやメーターが故障している場合は、動作している35DCから部品を取り出して交換する必要があります。そのため、部品代が少し上乗せになるケースがありますが、交換すれば露出計を復旧できます。

総じて、35DCの露出計は現行部品を活用した修理と部品取りで対応できるため、修理可能性は高いといえます。

3. オリンパス35DCの絞り羽根の粘着

オリンパス35DCのカメラ内部の絞り羽根が粘着して正しく動作しないことがあります。主な原因は油分の蒸発や埃の付着です:

  • 絞りが開閉しない。
  • 絞り羽根が動きにくい。

4. オリンパス35DCのフィルム巻き上げ機構の不具合

シャッター、絞り羽根の付着の症状

オリンパス35DCでは、シャッター羽根と絞り羽根が兼用の構造になっています。
そのため羽根が油分や汚れで固着すると、シャッターが切れない、速度が不安定になる、絞りが動かないといった不具合が同時に発生します。

実際には頻発するトラブルではありませんが、長期保管や高温多湿の環境で使われていた個体では、油の回り込みや埃の付着で羽根が動かなくなることがあります。

シャッター、絞り羽根の付着は直るか

この症状は修理によって改善可能です。
レンズユニットを分解し、羽根を一枚ずつ丁寧に清掃して古い油膜や汚れを除去します。その後、必要に応じて潤滑を施すことで、羽根のスムーズな動作が回復します。

35DCは羽根が兼用のため、整備ではシャッターと絞りを同時に調整します。適切にメンテナンスを行えば、多くのケースで付着は解消し、再び快適に使用できる状態に戻ります。

5. オリンパス35DCのレンズのカビ・曇り

レンズのカビ・曇りの症状

オリンパス35DCでは、レンズ内部にカビや曇りが発生している個体が多く見られます。
典型的な症状は、蜘蛛の巣状に広がるカビや、白いモヤのように広がる曇りです。これらが進行すると、撮影した写真が全体的にぼやけたり、コントラストが低下する原因となります。

原因は湿気の多い環境での保管や、経年によるレンズ内面の劣化です。

レンズのカビ・曇りは直るか

この症状は、分解清掃によって改善することが多いです。
レンズユニットを分解し、内部のガラス面を丁寧に清掃することで、カビや曇りを取り除きます。これにより、多くの場合は実用上十分にクリアな描写を取り戻すことができます。

ただし、カビの跡がガラスやコーティングにまで侵食している場合は完全には消せません。その場合は、現状でできる限りきれいにして改善を図る方法をとります。

レンズの交換対応が可能なケースもありますが、製造時期によって互換性に違いがあるため、必ずしも交換できるとは限りません。基本的には清掃で改善を試み、実用レベルに回復させるのが一般的な修理対応です。

6. オリンパス35DCのファインダーの曇りやゴミ

ファインダーの曇りやゴミの症状

オリンパス35DCでは、ファインダー内部にゴミや曇りが発生し、被写体を確認しにくくなることがあります。
典型的な症状は、覗いたときに黒いゴミや埃が視界に映り込む、あるいは曇りによって全体が白っぽく見えてしまうといったものです。

原因としては、長年の使用や高湿度の環境での保管によって内部に埃が入り込んだり、光学ガラスが曇ってしまうことが挙げられます。

ファインダーの曇りやゴミは直るか

この症状は修理で改善できます。
ファインダーを分解して内部の清掃を行い、ゴミや埃を取り除きます。また、曇りについてもガラスやプリズムを丁寧にクリーニングすることで視界を大きく改善できます。

ただし、経年劣化によってガラス面に痕跡が残る場合もあり、新品同様にはならないこともあります。それでも実用上は十分にクリアな視界に回復するケースが多く、安心して使用できるようになります。

7. オリンパス35DCのレンジファインダーの不整合

レンジファインダーの不整合の症状

オリンパス35DCでは、レンジファインダーの二重像が大きくずれることはあまりありません。
しかし、二重像が動かずピント合わせができなくなることがあります。

原因として多いのは、レンズの距離調整に連動して二重像を動かす部品に汚れが回り込み、動作が重くなっているケースです。その結果、レンズを回しても二重像が連動せず、被写体を正しく重ねられなくなります。

レンジファインダーの不整合は直るか

この症状は修理で改善できるケースがほとんどです。
ファインダーを本体から取り出し、ファインダーユニット下にある連動部品を清掃・整備することで、二重像が正しく動くようになります。

清掃後には二重像の調整作業が必要となりますが、適切に整備を行えばピント精度は回復し、通常通り使用できる状態に戻せます。

オリンパス35DCの修理内容について

当店では、以下のような故障に対応可能です。実際の状態を見てからお見積もりいたします。

  • シャッター・露出計・絞り羽根連動部品の分解清掃・調整・必要であれば部品交換
  • フィルム巻き上げ機構の動作改善(汚れ除去・注油・摩耗部品交換)
  • レンズの曇り・カビの清掃、製造年により必要なら交換可能なユニット対応
  • ファインダー/レンジファインダーの視界改善・二重像の調整
  • バッテリー接触部などの電気接点清掃・接触不良修正

オリンパス35DCの修理代の相場は?修理当社は安い?

ニコンFEやオリンパスOM1など機械式一眼レフフィルムカメラを、すべて点検して修理する「総合修理」した場合の相場価格です。各社ほとんどが税抜表示でしたので、税込み価格で統一しています。

スクロールできます
A社:19,800円~G社:19,800円~M社:14,300円~
B社:19,800円~H社:非公開N社:19,800円~
C社:19,800円~I社:17,600円~O社:16,500円~
D社:24,200円~J社:22,000円~P社:19,800円~
E社: 5,500円~K社:25,300円~
F社:15,180円~L社:非公開
2024年16社調査結果

上記の価格に部品代がかかる場合があります。経験上2,000円~6,000円ほどの追加料金が発生することが多いです。

かもめカメラ

当社かもめカメラは、一眼レフの全体修理をお受けしております。料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。

当社の修理が、おすすめできる理由は「かもめカメラ5つのお約束」をご覧ください!きっとご満足いただける修理をご提供できます。

フィルムカメラ修理の値段はなぜバラバラ?

フィルムカメラの修理はメーカーや国が作った資格のない仕事です。唯一信頼できるのが、今は70歳か80歳くらいになったメーカーの研修を受けたエンジニアの方たちの経験と知識です。かもめカメラはニコン、オリンパス、ペンタックス、キャノンなどのメーカー研修を受けた技術者から直接指導を受けて、検査機を使って修理調整しています。

資格がなくても修理ができる業界なので、趣味で修理をしている方や、最近では転売をしている方が作ったカメラ修理士という独自の名称で修理を受け付けている方もいます。

それで残念ながら価格や技術がバラバラで一律した基準がなかなかない比較しにくい現状があります。

フィルムカメラ修理のオーバーホール料金

オーバーホールの定義は、部品全てを分解して修理するというものかもしません。でもカメラの場合は、分解してはいけない場所もあります。ミリ単位で調整がしてあり、触るとかえっておかしくなってしまう部品箇所があるんです。

それで、各修理屋さんでオーバーホールの意味合いが違うと思います。

かもめカメラではオーバーホールを総合修理という言い方にしています。全体の検査を行い、機能を損なわない箇所まで分解し、清掃・注油・設定調整を行います。

古いフィルムカメラをどこまで修理するか?

フィルムカメラ修理は手を抜こうと思うとたくさん妥協できるところがある修理業種です。でも手を抜いていくと、露出が暗くなってしまったり明るすぎてしまったり、使い心地が枠瑠なったり、しばらくすると調子が悪くなったりしてしまいます。例えば以下のような残念なことがよく起きます。

よくあるフィルムカメラ修理の残念な事例

手を抜いてしまう修理だと、一応動くけどなんだかおかしい・・・ということがよくあります。例えば・・・

  • モルトの劣化が見逃され、撮影状況によっては感光光線漏れする
  • 1枚1枚のコマ間が大きくずれている
  • 速度が不正確で高速になればなるほど遅くなり、全体が開かないこともある
  • 露出計の表示が不正確で、その表示に合わせて設定をすると暗すぎ明るすぎな写真になる
  • 配線が繋がっているがギリギリ首の皮一枚の状態でしばらくすると電気系が動かなくなる
  • 各操作部品の掃除がされておらず、操作感が気持ち悪い

修理に出して帰ってきたカメラを触っても比較するものがないので、フィルムカメラ初心者の方はこのようなおかしさがわからないことが多いです。『なんだかおかしい・・』とわかってきたころには保証期間が終わってしまい諦めてしまうこともよく聞く話です。

かもめカメラの5つのお約束

フィルムカメラ修理は業界の資格や規定などがないので、明確な決まりごとのないサービスです。修理屋さんによって修理の質や出来上がる写真に大きな違いがでるので、料金の安さだけで比較することはおすすめできません。安心して修理をご依頼いただくために、かもめカメラでは「5つのお約束」を独自に設定しております。

当社かもめカメラの修理料金は相場よりも1,000円ほど高いことがあるかもしれませんが、コスパを考えると絶対にお安いとおすすめできます!

① 6か月保証いたします

日本には四季があり、同じ場所でも温度や湿度が大きく変化します。それで古いフィルムカメラは、冬場はきちんと動いていたのに、夏になったら動かなくなるということがよくあります。かもめカメラでは長期の使用に耐えられることを念頭において修理しています。それで修理終了時期から、季節が変わるであろう半年間を無料保証期間としています。修理が終わったカメラを、半年間たっぷり使って調子を試してください。

② 専用検査機を使って調整します

きれいな写真、自分の思い通りの写真を撮るには、カメラの「シャッター速度・露出計の動作・絞りの動作」この3つがしっかり連動する必要があります。

この3つが正常に動いているかは、人間の眼では確認できないことがほとんどです。専用の試験機で、数値で表示させないととわかりません。この試験機が7桁近くする高価なもので、現在日本で製造しているメーカーもほとんどありません(もうないといってもいい状況です)。

かもめカメラではすべての修理を試験機にかけて調整しています。

③ 検査修理票をお付けします

かもめカメラでは修理をしながら、試験機で行った検査の結果数値とその他目視で行う動作確認を修理票にまとめながら修理を行っています。

そのカメラのシャッター速度や、オートで撮った時の露出計の状態などを数値で表示したものです。

この修理票をお付けしてお返しします。通常では修理屋さんでは絶対にお客様にお見せしないものですが、お客様に安心してお使いいただくために、かもめカメラでは修理票の実物コピーをお付けします。

④ 見て見ぬふりはしません

古いフィルムカメラの修理をしていると言い方がわるいですが、このまま修理しないでお返ししても「きっとお客様は気づかない箇所」がたくさんでてきます。少なくとも保証期間内は影響がでないだろうと思われる箇所もあります。

かもめカメラではこうした箇所も、見過ごさずしっかりと整備いたします、これは性分です。きちんと整備し、修理票に記録してお返しします。

またそれに伴い追加の部品交換などの必要が出た場合もお客様にご相談して対応いたします。

⑤ 全体をクリーニングしてお返しします

かもめカメラは動作・機能を回復させるところまでで完成とは考えておりません。数十年たったカメラを気持ちよく利用していただくために、外装もできる限りのクリーニングをしてお返しします。かなりきれいになります!お楽しみに!!もちろん最後に除菌も行って送付いたします。

追加料金になりますが、ご希望によってお好きなカラーで張り替えることもできますのでご相談ください。

かもめカメラのフィルムカメラ修理の料金一覧

当社かもめカメラは、全体修理をお受けしております。以前は以下に具体的な金額を入れておりましたが、料金個々の状況により、上記よりも安くなる場合もあれば、そうでないケースもあります。それでここに価格は個々にお見積りさせていただくこととしました。誠実なお見積りを心がけておりますので一度お問い合わせください。

一眼レフお見積り下さい
レンジファインダー機お見積り下さい
コンパクト機お見積り下さい
モルト交換お見積り下さい
その他部分修理お見積り下さい
レザー張り替えお見積り下さい
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